2014 Fiscal Year Research-status Report
カーボカウントのアドヒアランスを高める食事指導プログラムの開発と効果・検証
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25350878
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
佐野 喜子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20399603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (40335443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カーボカウント / アドヒアランス / 食後高血糖 / 炭水化物量 / 食事指導プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
1)カーボカウント評価指標の検討 レセプトから抽出された早期腎症期の糖尿病患者64名(男性36名、女性28名、年齢69.0歳、BMI25.8kg/㎡、eGFR71.8ml/min/1.73㎡)の結果を、目標達成群(HbA1c(NGSP)7%未満)35名、非目標達成群(7%以上)29名に分け、指導に有用な生活習慣項目を検討した。達成群では服薬量に変化はなく、夕食摂取エネルギー量(626±173→572±136kcal/食)、昼食炭水化物量(72.9±27.4 →70.3±29.1g/食)、夕食炭水化物量(80.0±29.6→72.3±22.5g/食)、30分以上の運動習慣(2.9→3.3点)、BMI(24.9±4.0→24.5±4.0kg/㎡)、HbA1c 6.7(5.7-8.2)→6.3(5.6-6.9)%に有意な改善がみられた。体重管理と共に、「3食の適正配分」や「炭水化物の均等摂取」といった炭水化物量に着目した食後高血糖対策としてのカーボカウントが、HbA1cの改善に反映された可能性が示唆された。 2)カーボカウントのアドヒアランスを高める食事指導プログラムの開発 26年度計画に基づき、動機づけ面接技法に準拠した目標志向型食事指導プログラムを構成する指導ツール「食後高血糖対策のためのかんたん指導ツール」(イラスト入り指導シート32枚*1、チェックシート4枚*2、指導シートを用いた指導例、解説80頁)の作成を行った。「指導ツールの使い勝手の検討」を管理栄養士10名に依頼中である。 *1)あなたの血糖値に影響しているものは?インスリン分泌と血糖の関係、炭水化物と血糖の関係、食後高血糖を招く食事(炭水化物重ね食べ、主食量の確認)食べ方で血糖をコントロール(はや食い、欠食や夜遅い食事、睡眠不足の影響)種類別運動の効果、服薬のコツ、指導票、チェックシート他
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度計画にあるプログラムの効果検証に先立ち、指導ツールの使い勝手の検討が、年度をまたぐ実施(H27.3~5)となったが、それ以外はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
H27計画[カーボカウントのアドヒアランスを高める食事指導プログラムによる介入]対象者の割り付け(ランダム化した対象者を募集直後からスタートするA群と自己学習期間3か月を経てスタートするB群に無作為に割り付ける)の変更を予定している。 [変更案] 26年度に糖尿病重症化予防事業を担当した指導者から、27年度に指導ツールを用いてプログラムを実施する指導者をマッチングし、26年度と27年度の指導効果を検討する。
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Causes of Carryover |
・食事指導プログラムを構成する指導ツール(指導シート32枚、チェックシート4枚、指導シートを用いた指導例および解説80頁)を、糖尿病食事療法・特定保健指導テキスト「食後高血糖対策のためのかんたん指導ツール」として(株)エクスナレッジが編集、発刊を担当したため、作成経費(人件費・イラスト・編集・印刷・コーティング等)を削減することができた。(科学研究費助成事業の成果の一部である旨は「はじめに」欄に記載)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・研究協力となる自治体や企業健保の所在地が、東京近隣から群馬、福島、大阪、広島と広域となった。カーボカウントによる指導効果を評価する食事アセスメント(タブレットPC)の処理機能の拡大ならびに情報管理の精度を高める必要性が生じたため、クラウド化への調整を進めている。 ・プログラム作成において削減された経費を、研究遂行のために上記への一部運用を検討し、平成27年度に執行予定としている。
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Research Products
(5 results)