2015 Fiscal Year Research-status Report
カーボカウントのアドヒアランスを高める食事指導プログラムの開発と効果・検証
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25350878
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
佐野 喜子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20399603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (40335443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カーボカウント / 食後高血糖 / 食事指導プログラム / アドヒアランス / 炭水化物量 / 保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
勤労男性の食事療法への意欲と実践度を高めるために、関心が高い飲酒と睡眠について炭水化物量との関連を検討した。対象は特定健診結果がFBS160㎎/dlまたはHbA1c7.0%以上の男性108名(52歳,BMI26.7kg/㎡,FBS154mg/dL)のベースライン調査である。 一元配置分散分析によるアルコール摂取量による3群(非飲酒者、飲酒者23g未満、23g以上)間の比較では、多飲者にγGTP(34.5、47.0、58.0IU/L、P for trend=0.022)、総エネルギー摂取量(1924、2116、2167kcal/日、p=0.041)の有意な増加が観察された。アルコールを含む夕食エネルギー摂取量(696、787、947kcal、p=0.013)に対し、炭水化物量(94.9、86.4、72.6g、p=0.020)、主食エネルギー摂取量(249、200、145kcal、p=0.002)は逆を示し、飲酒のエネルギー摂取量を主食の減量で調整している可能性が観察されたが、調整相当以上のエネルギーをアルコールから摂取している可能性も示唆された。 睡眠時間による3群(7時間未満群,7時間群,8時間以上群)間の同様の検討では、年齢(51、55、58歳、p=0.000)、BMI(26.7、26.8、24.6kg/㎡、p=0.004)、総エネルギー摂取量(2004、1995、1742kcal、p=0.042)、総炭水化物摂取量(p=0.004)、総脂質摂取量(p=0.035)に有意な差が観察された。また未満群は他群に比べて「不規則な生活」が血糖値への影響要因と自覚しており、1日の主食炭水化物量(171、143g、p=0.005)が多かった。エビデンスを示し、知識の妥当性を示すことで改善行動への意欲の向上を促し、継続性が高まる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた①評価シートの妥当性の検討と②食事支援の効果検証(クロスオーバー試験)を自治体での介入時に実施することが困難(前後比較研究のみ実施)であったため、保健指導機関で別途実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
主任研究者の所属変更(医療機関→大学)によって、研究フィールドの変更(病院→保健指導機関)を行った。それに伴い、対象者と介入目的の変更(患者→要保健指導者)(治療→予防・健康維持増進)が伴った。「食事の炭水化物に注目する食事療法支援」に変化はないが、対象者の変更に伴う語句の扱いなどの修正を行っていく。 例1)病院患者向け→健診結果後の保健指導対象者、例2)カーボカウント→場合によっては「炭水化物に着目した食事指導」、例3)血糖コントロール→食後高血糖対策
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Causes of Carryover |
本研究は平成27年度で終了予定であったが、主任研究者の所属変更により研究スタートに遅延が生じたことから、期間延長(1年)の申請を行い了承を得られた。平成28年度に使用予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
食事支援の効果検証の解析に伴う人件費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)