2014 Fiscal Year Research-status Report
過栄養によるエネルギー代謝破綻を標的とする抗メタボリックシンドローム研究
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25350886
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高山 房子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10236367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 茂 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 名誉教授 (20033201)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポリアミン / 脂質異常症 / NASH / ミトコンドリア / 慢性炎症 / 酸化/ニトロ化ストレス / エピジェネティクス / 鉄過剰 |
Outline of Annual Research Achievements |
◆非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)病態動物【特許第5109134】について、ニトロ化ストレス-核H1消失-エピジェネティック(EG)変調-ミトコンドリアエネルギー代謝に着目し検討し、次の結果を得てメタボリックシンドローム(MS)疾患に帰結する過栄養応答の発現変調を明らかにできた。 ・ NASH病態におけるニトロ化ストレス変性:グアノシンなど構造にグアニン塩基を含む生体構成分子のニトロ化変性体(8-NO2G)に対して、実験動物試料中8-NO2G 定量が可能な感度のELISAを構築した。これによる8-NO2G変性の有意な上昇検出で、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)病態で惹起されるニトロ化ストレス変性を明らかにした。 ・NASH病態動物肝臓の核におけるヒストン1(H1)消失:NASH動物の肝核画分におけるH1の著明な消失を明らかにした。 ・ 肝ミトコンドリア呼吸活性:ミトコンドリア呼吸活性の指標となるCOXⅣの減少を突止めた。 ・LSD1: LSD1(ヒストンH3低メチル化酵素。阻害によるミトコンドリアエネルギー代謝亢進をもたらし、MS性の生活習慣病の有効性に注目)活性のNASH病態での変化については検討を進めている。 ◆NASH病態進行予防機能を発揮するポリアミンの標的分子の探索・解明:MS性の生活習慣病の進展の共通基盤として、インスリン抵抗性-ミトコンドリア栄養エネルギー代謝性酸化ストレス-慢性炎症のメビウスの輪を強く想定している。慢性炎症で惹起されるニトロ化変性のNASHでの惹起、加えてNASHに対するピオグリタゾンに遜色ないポリアミンの有効性から、インスリン抵抗性への影響を、HOMA-IRおよびインスリン抵抗性惹起および炎症性サイトカインネットワークの司令塔として機能するTNF-α量の変化を検討した。インスリン抵抗性および異所性脂肪沈着を招く栄養エネルギー代謝センサーの変調がNASHで惹起していることおよびポリアミンによる是正効果を実証できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の目的は、A 過剰栄養性肝代謝異常-相対的酸欠-脂肪貯留-酸化ストレス-炎症-組織リモデリング- メタボリックシンドローム 関連疾患 (MS) 進行における、抗MSの新たな治療標的として、栄養性肝代謝異常・炎症をもたらすEG変調の分子基盤を、酸化ストレス 、ニトロ化ストレス、ヘム(鉄)、核ヒストン修飾に着目し解明する。 B 抗MSに有望な化合物として選定したポリアミンについて、NASH病態でのエピジェネティック(EG)変調による栄養代謝・生理機能の破綻に対する制御性を詳らかにし、生活習慣病の予防、治療への利用の可能性を学術的 に解明し、ポリアミンの創薬シーズ発展性を裏付ける応用研究を発展させる。 の以上である。 このため、 H26年度において研究計画とした 【NASH病態モデルについて、MS疾患に帰結する過栄養へのEG制御と病態進展に関わる因子との関連を解析することで、MS疾患防御の標的を探究する。 これにより、EG制御と抗酸化・抗炎症に基づく代謝症候群の進行予防食品の開発のための評価実験系を確立する。 NASH病態モデルならびに確立した評価実験系により、ポリアミン経口投与による影響を、過栄養へのEG制御と病態進展に関わる因子やMS疾患防御の標的について検討・評価して、過剰栄養暴露によるMS疾患に対するポリアミンのEG調節を介する有効性の可能性を明らかにすると共に、創薬シーズとしての発展性を裏付けるデータを取得する。】についての、実施・進展の状況は、「おおむね順調に進展している」に相当すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で用いるNASH病態モデル=栄養性肝代謝異常としての生活習慣病【特許第5109134】は、臨床症例リスクの負荷で、MSの増悪化が惹起・加速することを再現する。 偏倚栄養によるエピジェネティク変調と、ミトコンドリアエネルギー代謝異常、慢性炎症や異所性脂肪の沈着との関係の全貌を解明できるNASH 病態モデルを作出できる我々の強みをフルに活かして、今後、過剰栄養エネルギー代謝-相対的酸欠 [‘酸素で燃やして' エネルギーを作る栄養物質は多量に流入]-酸化ストレス亢進-炎症駆動転写因子NFκB の活性化-慢性炎症・組織の異常増殖を巡るメビウスの輪の全貌をエピジェネティク変調の是正を意図して、順調に進んでいるこれまでの研究をさらに推進して解明する。 具体的には、NASHで実証した脂質合成酵素および解糖系酵素の蛋白発現亢進に対するポリアミン投与による影響について検討を進め、抗メタボリックシンドローム機能が見込めるポリアミンについて、 ミトコンドリアエネルギー代謝を賦活させるLSD1の阻害によるエピジェネティク制御を始め、肝臓の栄養エネルギー代謝機能や炎症遷延の改善機能の評価・解析を推進する。 得られる知見は、肥満症 (脂質異常症) から生活習慣病への重症化の予防・治療、インスリン抵抗性の改善などに幅広く使用できる機能性素材の探求とその評価系確立の基盤研究の達成 に資することを確信している。
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Causes of Carryover |
ウェスタンブロット解析実験の一部を平成27年度に実施することとしたため、その試薬購入を次年度用としたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度実施予定の解析実験の一部を今年度実施することにしており、その試薬購入費に充てる。
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[Presentation] Spirulina platensis and its ingredient prevent NASH to attenuate oxidative stress from mitochondrial energy metabolism and chronic inflammation followed by metabolic turnover alteration2014
Author(s)
Aya Yoshii, Fusako Takayama, Yasumasa Kodo, Ritsuko Watanabe, Hiroshi Toyoda, Mitsumasa Mankura, Toru Egashira, Hideaki Kabuto, Tomoko Yamanushi, Shigeru Okada, Akitane Mori
Organizer
The Oxygen Club California, the 2014 World Congress on Oxidants and Antioxidants In Biology
Place of Presentation
The UC Davis Conference Center
Year and Date
2014-05-07 – 2014-05-10