2014 Fiscal Year Research-status Report
リポ蛋白リパーゼトランスジェニックウサギを用いた抗肥満・抗糖尿病のメタボロミクス
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25350889
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 和俊 秋田大学, 秋田大学バイオサイエンス教育・研究センター, 准教授 (70435874)
見市 文香(三田村文香) 佐賀大学, 医学部, 助教 (70576818)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / エネルギー消費 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に、CE-TOFMS(Capillary Electrophoresis Time-Of-Flight Mass Spectrometry)を用いて、リポ蛋白リパーゼトランスジェニックウサギ(n=9)とコントロールウサギ(n=9)の骨格筋組織(腓腹筋の赤筋部位)のメタボローム解析を終了した(165種類の骨格筋代謝物質の濃度レベルを測定[165種類のうち、98種類はカチオンモード、67種類はアニオンモード])。その次のステップとして平成26年度は、リポ蛋白リパーゼトランスジェニックウサギが有する好ましい糖代謝・エネルギー代謝に関与する可能性がある骨格筋代謝物質を同定することを目的として、骨格筋メタボロームとそれと同時に測定された糖代謝指標とエネルギー代謝指標について相関解析を行った。HOMA(Homeostatic Model Assessment: 空腹時の血糖値とインスリン濃度の積)や静注糖負荷テストにより評価されたインスリン抵抗性(血糖曲線下面積とインスリン曲線下面積の積)を糖代謝指標とし、二重標識水法(水を構成する水素と酸素を安定同位体で標識)により測定されたエネルギー消費量をエネルギー代謝の指標とした。統計解析ソフトSASを用いて統計解析を行った結果、クエン酸やリンゴ酸などTCAサイクルに係る骨格筋代謝物質のレベルは一貫してインスリン抵抗性指数との間に統計的に有意な負の相関が認められた。一方、NADHレベルはインスリン抵抗性指数と正に相関し、逆にエネルギー消費量とは負に相関することが分かった。加えて、グリセロール等、エネルギー消費量と有意な相関関係が認められる12種類の骨格筋代謝物質を見出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいるから。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を国際学会で発表し、論文を作成する。必要に応じて骨格筋や血清の特定の代謝物質の測定を追加する。
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Causes of Carryover |
今年度は、これまでに行った実験の結果を一旦整理し、次年度に実施すべき追加実験について考察することを主に行ったので、実験に関する費用がかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要に応じて骨格筋や血清の特定の代謝物質の測定、データベース作成の補助や実験補助の謝金、国際学会発表や論文の英文校正など研究成果の公表に使用する。
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