2016 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolomics of anti-obesity and anti-diabetes using lipoprotein lipase transgenic rabbits
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25350889
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 和俊 秋田大学, バイオサイエンス教育・研究センター, 准教授 (70435874)
見市 文香 (三田村文香) 佐賀大学, 医学部, 助教 (70576818)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨格筋代謝物質 / メタボローム / 抗糖尿病 / 抗肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
リポタンパク質遺伝子を全身で高発現するリポタンパク質トランスジェニック(LPL-TG)ウサギは、高脂肪食により誘発される肥満・糖尿病になりにくい代謝的特長をもっている。LPL-TGウサギ(n=9)とコントロールウサギ(n=9)に高脂肪食(16週間)を与えた後、骨格筋(腓腹筋)を採取し、CE-TOFMS質量分析装置を用いて骨格筋メタボローム解析を実施した(165種類の骨格筋代謝物質の検体間の相対濃度を測定)。同時に、二重標識水を用いたエネルギー消費量の測定と静注糖負荷テストによるインスリン抵抗性の評価を行った。骨格筋代謝物質の濃度を2群間で比較した結果、LPL-TGで有意に高値あるいは低値を示す40種類の代謝物質を見出した。例えば、LPL-TGのではペントースサイクル 、アミノ糖経路、TCAサイクル、尿素サイクル、プロリン/ヒスチジン経路にかかわる代謝物質の濃度が有意に高値を示し、一方、カルニチン関連の代謝物質、シスタチオニン 、サルコシンの筋中濃度は低値を示した。従って、骨格筋のこれらの代謝経路が抗糖尿病・抗肥満に関与する可能性が示唆された。加えて、エネルギー消費量と有意な相関が認められた代謝物質が18種類、インスリン抵抗性指数と有意な相関が認められた代謝物質が21種類見つかり、エネルギー消費量・インスリン抵抗性の制御に関わる有力な候補代謝物質と考えられた。更に、LPL-TGの骨格筋細胞で特に高濃度で存在する代謝物質は、血中に放出され抗糖尿病・抗肥満効果を発揮する可能性があると考えられたので、これらの代謝物の絶対濃度についても検討を加え、セリン、リンゴ酸、アルギニン等の代謝物質がコントロールと比較してLPL-TGの方で相対的に濃度が高くかつ絶対濃度も高いことが分かった。これらの研究成果について国際学会(ラスベガス、米国)や2つの国内学会(京都大学、佐賀大学)で口演を行った。
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