2013 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢者の健康寿命の維持に必要な身体活動の時間と強度に関する研究
Project/Area Number |
25350890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
吉武 裕 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (00136334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 剛一郎 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (10274870)
前田 明 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40264543)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 歩数 / 身体活動 / 加速度計 / 膝痛 / 下肢痛 |
Research Abstract |
平成25年度は、農山村地域在住の65歳以上の高齢男性52名と女性81名を対象に体力測定、身体活動状況(加速度計による1日の総歩数、強度別活動時間の測定)、日常生活動作遂行能力(主観的な階段昇降、椅子からの立ち上がり、1キロメートル歩行の評価)、高次生活機能(老研式活動指標)、健康状況等について測定した。 本年度は、対象者を前期高齢者(65歳から74歳)と後期高齢者(75歳以上)に分け、前期高齢期から後期高齢期への身体活動状況(1日の総歩数、安静時間、低強度活動時間、中強度活動時間、高強度活動時間)の移行について検討した。前期高齢者の平均年齢は、男性71±3歳、女性70±3歳、後期高齢者は男性80±4歳、女性は79±3歳であった。安静時間は男女とも前期高齢者より後期高齢者が多く、1日の総歩数は男女とも、前期高齢者が後期高齢者より多かった。また、強度別活動時間では、低強度、中強度、高強度、いずれも前期高齢者が後期高齢者より多かった。特に、中強度以上の活動時間は前期高齢者に比べて後期高齢者では男性で51.8%、女性で43.9%少なかった。このことから、後期高齢期においては中強度以上の活動時間の低下が著しいことが示唆された。また、1日の総歩数は75歳ごろを境に、高齢になるほど低下が著しいことが示唆された。さらに、前期高齢期から後期高齢期への移行に伴う身体活動状況の変化は著しかったが、その変化には個人差が大きいことが示唆れた。 高齢者における身体活動状況の加齢変化はひざ痛などの下肢の痛みによる影響が報告されているが、身体活動を加速度計により客観的手法において測定し、膝痛と身体活動の関係を検討した報告は少なく、膝痛や下肢痛がどの程度身体活動状況(加速度計による身体活動測定)に影響するかについて、平成26年度は明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的は、後期高齢者の健康寿命の維持に必要な身体活動の時間と強度との関連を縦断的調査により明らかにすることである。平成25年度は予定していた測定項目をすべて測定することができた。平成25年度は身体活動状況の加齢変化を横断的に検討することができた。その結果、前期高齢期から後期高齢期への移行に伴い、特に中強度以上の身体活動時間の低下が著しいことが分かった。 以上のように計画書のとおりすべての測定項目の測定を実施できたが、男性参加者が予定より若干少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、予定していた測定項目をすべて実施することができた。しかし、高齢男性の参加者が予定より少なかったことから、平成26年度は高齢男性の参加者を増やす必要がある。 平成26年度は、平成25年度同様な項目について測定を実施する予定である。さらに、平成26年度は、下肢痛(膝の痛みなど)がどの程度身体活動状況に影響を及ぼすかについて検討し、健康寿命の危険因子ある下肢痛の影響を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度行く予定の米国スポーツ医学会に出席できなかったため、今年度出席する。 米国スポーツ医学会出席のための旅費等等に使用する。
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Research Products
(2 results)