2015 Fiscal Year Research-status Report
後期高齢者の健康寿命の維持に必要な身体活動の時間と強度に関する研究
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25350890
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
吉武 裕 鹿屋体育大学, その他部局等, 教授 (00136334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 剛一郎 鹿屋体育大学, その他部局等, 准教授 (10274870)
前田 明 鹿屋体育大学, その他部局等, 教授 (40264543)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 後期高齢者 / 身体的自立 / 歩数 / 加速度計 / 身体活動 / 階段昇降 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は後期高齢者の健康寿命の維持に必要な身体活動の時間と強度を加速度計により測定し、これら身体活動状況と体力及び日常生活動作遂行能力の関連性を検討し、身体的自立に必要な身体活動の質と量を明らかにすることである。今年度は、高齢者においてもっとも身体への負担度の高い階段昇降能力と歩数および強度別身体活動の関係について検討した。特に、今年度は女性を対象に解析した。 【方法】対象者は、地域在宅女性高齢者72名とした。階段駆け上がりパワーは、段差9cmの階段を8段用いて最大努力で駆け上がる時間を計測し、Margariaらの方法を応用して算出した。本研究で用いた階段を使用した階段駆け上がりパワーの信頼性と妥当性は事前に検討した。日常生活における身体活動は加速度計(Lifecorder スズケン社製)により、歩数、低強度活動時間(<3METs)、中等強度以上活動時間(≧3METs)を測定した。加速度計のデータは、連続2週間測定したうちの1日10時間以上装着している日が土日を含む5日以上ある者を解析対象とした。 【結果】階段駆け上がりパワー(p<0.001)および歩数(p<0.01)、低強度活動時間(p<0.01)、中等強度以上活動時間(p<0.05)は年齢との間に有意な負の相関関係が認められた。階段駆け上がりパワーは歩数(p<0.05)および中等強度以上活動時間(p<0.05)との間に有意な相関関係が認められたが、低強度活動時間との間には有意な関係は認められなかった。また、年代を制御変数とした偏相関分析を行った結果、階段駆け上がりパワーと中等強度以上活動時間との間にのみ有意な関係が認められた(p<0.05)。 【結論】高齢女性においては、中等強度以上の歩行活動は下肢筋力の保持・向上に有用背あることが示唆された。このことは、高齢者のウォーキング指導の重要な資料になると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は対象者の募集が遅れたために十分な対象者を確保できなかった。特に、男性高齢者が予定より少なかった。なお、測定項目は研究計画のとおりすべて実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であるので、参加者の募集を早期に開始し、体力測定等の実施日をこれまでより多くし、対象者の確保に努める。また、これまでの結果をまとめ論文の作成を行う。
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Causes of Carryover |
対象者が予定より少なく、今年度も継続して行う必要が生じた。また、これまでの3年間の研究結果について、海外での学会発表および論文作成を行うためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでに得られた研究結果の海外の学会発表における旅費に使用する。また、昨年度に故障した測定機器の購入および修理に使用する。
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Research Products
(1 results)