2013 Fiscal Year Research-status Report
高血圧の非薬物療法の確立を目指した伝統的沖縄食による介入研究
Project/Area Number |
25350891
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
崎間 敦 琉球大学, 保健管理センター, 准教授 (10325839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
等々力 英美 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60175479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高血圧 / 非薬物療法 / 食塩 / 食事 / 情報介入 / ライフスタイル |
Research Abstract |
平成25年度は、介入調査の対象集団を選定する目的で、対象者において推定食塩摂取量(eNaCl)の算出、栄養調査、高血圧と栄養に関する意識調査およびを実施した。さらに、家庭血圧の測定状況の実態について調査した。eNaClの算出には高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)に示されている「随時尿でのNa、Cre測定とNa/Cre比による推定式」を用い、栄養調査にはBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票:brief-type self-administered diet history questionnaire)を用いた。eNaClの算出は835名で実施した。835 名のベースラインのeNaClは,8.3±2.3 g/日であった.2回目と初回測定のeNaClの差により対象者を4分位(Q1-Q4)して血圧との関係をみると、eNaClが高い群ほど収縮期血圧が高値を示していた。栄養調査および意識調査は358名に実施した。減塩に関する質問票調査では、「減塩を意識している」、「減塩を実行している」と回答した患者の割合は、それぞれ、91.3、84.2 %で高値を示していた。しかし、「減塩を意識している」、と回答した患者の随時尿法による食塩摂取量は、「減塩を意識していない」と回答した患者と差を認めなかった(8.3±2.3 vs. 8.5±2.4 g/日)。また、「減塩を実行している」と回答した患者の食塩摂取量も、「減塩を実行していない」と回答した患者と差を認めなかった(8.2±2.2 vs. 8.7±2.5 g/日)。今回の調査より、eNaClの低下は血圧低下を伴うこと、減塩の意識とその実行は必ずしもeNaClに反映しないことが明らかとなった。平成26年度以降は、沖縄野菜を用いた食事情報介入が減塩を伴った降圧作用を示すか、高血圧非薬物療法に有用化についての検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)平成25年度は、介入調査の対象集団を選定する目的で、対象者において推定食塩摂取量(eNaCl)の算出、栄養調査、高血圧と栄養に関する意識調査およびを実施した。この点に関してはおおむね順調に進展しているが、家庭血圧の測定状況に関する分析は遅れている。 (2)平成26年度から、沖縄野菜を用いた食事情報介入を実施する予定となっている。介入調査の参加者の登録に関しては、平成25年度の調査の結果を対象者に報告した後からのスタートになるため、平成26年度は介入調査の対象者の登録が中心になることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)平成26年度の一年間を介入調査の登録期間と位置づけ、登録が完了した対象者を順次介入していく。主な評価項目は、血圧、尿中Na排泄量、尿中K排泄量、減塩意識・実行、食事情報介入の有用性である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担研究者の当該年度の実支出額が97,870円となったため。 当該年年度の差額2,130円については、次年度に研究代表者が物品費用として使用する。
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