2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のライフヒストリー分析による生涯発達過程での運動の意義と影響に関する研究
Project/Area Number |
25350895
|
Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
小坂井 留美 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (20393168)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ライフヒストリー / ライフステージ / 運動経験 / 生涯発達 / 高齢者 / インタビュー調査 / 積雪寒冷地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,北海道の在宅高齢者を対象にライフヒストリーに関するインタビュー調査を行い,テキスト化したデータを定量的・定性的に分析して,運動実践の意義や人生での役割,心身機能との関連を明らかにすることを目的としている.今年度は,テキスト定量分析による運動の発言特性と,運動実践・身体機能の維持向上への支援者の関与において成果を得た. 1.子ども時代の運動に関する語りの特性-テキスト定量分析からの検討:90歳以上高齢者5名を分析焦点者としたテキストマイニングの結果,子ども時代の活動に関わる心の動きとして「ポジティブ感情」が抽出され,運動が「良い」,「満足」,「楽しい」,「吉報」,「期待」,「好き」の感情に関連することが定量的に示された.一方,運動に直接言及した文脈に限ると,経験の乏しさとの結びつきが顕著であった.人生を振り返る中で「運動」に関連する肯定的感情は,「運動」の語に直接関連するのでなく,介在要因から想起されることが示唆された. 2.運動実践・身体機能への支援者の関与-心身状況に関する客観的指標からの検証:高齢期の身体活動や体力との関連では,同居者が配偶者の場合には活動性が高く歩行能力等も高いが,子らである場合にはこの関連は認められず,手段的自立能力などでは低い傾向を示した.また,発育期における屋外活動や運動能力発達との関連を6-11歳の縦断データを用いて検証した結果,男子では運動能力発達の多寡に保護者の運動への動機付けが関連するが,女子ではその傾向が明確でないことが示された. 以上より,ライフヒストリーの中で運動の意味を量るには介在要因に着目する必要のあること,定性的検討では運動への支援者の関与が着目されたが,集団での検証から最も身近な支援者となりうる家族の運動能力発達への寄与には性差のあること,高齢期の活動性や自立度維持への寄与は続柄により異なる可能性のあることが示された.
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
[Presentation] Living arrangement and change in participation in hobby activities among community-living older people in northern Japan2016
Author(s)
Kozakai, R., Ueda, T., Ide, K., Oda, S., Honda, R. and Aiuchi, T.
Organizer
The 23rd Nordic Congress of Gerontology
Place of Presentation
Tampere
Year and Date
2016-06-19 – 2016-06-22
Int'l Joint Research
-
-
-