2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 譲 東北工業大学, 共通教育センター, 准教授 (30316434)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 再生制御 / 炎症 / 免疫制御受容体 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
骨格筋の損傷修復・再生過程は骨格筋幹細胞である筋衛星細胞,炎症細胞である好中球やマクロファージ,これら細胞から分泌されるサイトカインやケモカインなど多種の細胞や液性因子が筋損傷部位において統合的協調的に関与した事象であるが,その全容はいまだ明らかではない.本研究では,骨格筋損傷に伴う炎症応答および損傷筋の修復再生過程における免疫制御受容体の機能および制御機構について検討することを目的とし,平成25年度は以下の実験を行った. 1.マウス下腿三頭筋へ蛇毒Cardiotoxin(CTx)を投与し筋損傷を誘導したマウス骨格筋損傷モデルを用い,B6野生型マウスと抑制型および活性化型免疫制御受容体欠損マウス(PirB欠損,DAP12欠損,FcRγ欠損,DAP12/FcRγダブル欠損)との比較実験を行い,骨格筋の損傷修復・再生過程への免疫制御受容体の関与についてin vivoにおいて検証した.その結果,DAP12欠損およびDAP12/FcRγダブル欠損マウスにおいて損傷筋の修復再生遅延が観察された. 2.骨格筋損傷時に損傷筋への浸潤細胞を把握するため,実験1の系を用いて再生遅延の観察された活性化受容体欠損マウスよりCTx投与後1, 4, 7, 14日後の損傷筋に局在する細胞を回収しFACS解析を行った. その結果,好中球の浸潤に変化は見られなかったものの損傷筋に局在するマクロファージの分化状態に変化が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記結果より骨格筋の損傷修復・再生過程への活性化免疫制御受容体の関与の可能性が示唆され,さらに制御機構へ関与が推測される細胞が特定されたことから,平成25年度に予定していた計画の一部である免疫制御受容体群の遺伝子発現やタンパク発現の解析が進められなかった点もあるが,研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記結果をもとに,損傷筋浸潤細胞を制御する液性因子の同定を目的として以下の実験を計画する. 1.骨格筋損傷部位での液性因子の解析として,筋損傷のモデル実験において,CTx投与後の各日に損傷筋を採取し,損傷筋組織および損傷筋局在細胞における液性因子(サイトカイン・ケモカイン等)の産生及び産生細胞の同定をqPCR,ELISA ,FACSにて網羅的に行う. 2.同時に免疫制御受容体群の遺伝子発現およびタンパク発現をqPCR,FACSにより確認する. 3.同定された細胞におけるシグナル解析として,培養マクロファージを用いて,各種サイトカイン刺激に対する応答をこれまでに報告されている免疫制御受容体が有しているITIMもしくはITAMモチーフを介するシグナル分子群のリン酸化の状態および細胞内カルシウム流入の変動を中心にウェスタンブロット,さらには共焦点レーザー顕微鏡を用いた生細胞の画像解析による検討を行う. 4.責任細胞の把握と細胞移入実験,欠損遺伝子の遺伝子再構成の実験として,免疫制御受容体を介した骨格筋の修復に関して,欠損マウスへの野生型マウス由来当該細胞の細胞移入による筋損傷修復の機能回復実験を行う.さらに欠損マウス由来の当該細胞へのレトロウィルスベクターを用いた遺伝子再構成による機能回復実験を行い責任受容体の確認実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた免疫制御受容体群の遺伝子発現およびタンパク発現の解析を,その他の実験の進捗状況と実験効率化のため平成26年度に予定している液性因子同定の解析と同時に行うこととしたために,qPCRによる遺伝子発現解析やFACS解析,ウェスタンブロットに必要な試薬,抗体,消耗品等の費用が次年度に繰り越されたことが主な理由である. 本研究課題を遂行するため平成26年度に予定している研究計画についての研究費は,平成25年度の繰越金385,264円に平成26年度1,400,000円の計1,785,264円である.その内訳は物品費1,485,264円(主に抗体,試薬,プラスチック消耗品,実験動物の購入費等),旅費250,000円(国内学会旅費および参加費等),人件費・謝金 50,000円を予定している.
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