2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350908
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川中 健太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 絵美 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (40634514)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不活動 / ギブス固定 / 骨格筋 / インスリン抵抗性 / TXNIP / CXCL1 / CXCL2 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの片脚下肢をギブス固定(底屈固定)するとヒラメ筋におけるインスリン刺激による糖取り込み速度が低下する。すなわち、「不活動」は骨格筋のインスリン抵抗性を惹起する。ところで、我々は、不活動筋では何らかの遺伝子発現が惹起され、その遺伝子産物の働きを介してインスリン抵抗性が引き起こされるとの仮説を有している。そこで、DNAマイクロアレイ(Affymetrix社製、Rat Genome 230 2.0)を用いて、ギブス固定を施した側の不活動筋でmRNA発現が増加している遺伝子を網羅的に解析した。18種類の遺伝子についてmRNA発現量が2.5倍以上増加していたが、そのなかには、炎症性サイトカインであるCXCL1やCXCL2 ケモカインが含まれていた。昨年度、我々は固定脚の不活動筋においてJNKなどの炎症性シグナルが活性化されることを報告したが、遺伝子発現の結果からも、不活動由来に骨格筋では炎症性サイトカインの遺伝子発現が増加し、それ由来にJNKが活性化されることが、インスリン抵抗性の原因になるとの可能性が示唆できる。 また、以前、我々は、骨格筋内に過剰のグルコースが流入すると何らかの遺伝子発現が惹起され、その結果、インスリン抵抗性が生じることを報告している。過剰なグルコースが流入した筋において発現が増加する遺伝子のうち、thioredoxin-interacting protein (TXNIP)のmRNA発現はギブス固定された筋でも1.7倍に増加していた。TXNIPは高脂肪食によって惹起されるインスリン抵抗性にも関係していることが報告されており、今後、この遺伝子と不活動誘発性インスリン抵抗性の因果関係について検討するとの新たな課題を得ることができた。
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Research Products
(3 results)