2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における適応的行動選択能力の評価とその介入方略の検討
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25350913
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
近藤 慶承 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (30614987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 貴広 首都大学東京, その他の研究科, 教授 (30433171)
鴬 春夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (80583195)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境適応 / 高齢者 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高齢者の歩行能力に関する評価の新しい視点として,「身体に関する感覚入力情報の変化への選択適応能力」について着目している.実験では,隙間を体を回旋させることなく通過することができた隙間の広さと障害物をぶつかることなく跨ぐことのできる高さとの関係について測定を行っている.昨年度の研究では、隙間通過動作とまたぎ動作の関係について検討し,互いに独立した選択適応能力であることが分かった.本年度は,歩行能力と選択適応能力との関係について検討した. 65歳以上の高齢女性20名(認知症の疑いのある高齢者は除外),若年女性40名を対象として実験を行った.その結果,Timed up & go test(総合移動能力を測定する課題,椅子から立ち上がり3m先のコーンを回り再び椅子に坐る課題)の所要時間の長い高齢者ほどGo/No-go課題でのmiss回数が多い結果となった.この結果は,高齢者における移動能力の低下が,歩行における選択適応能力の低下を要因とする可能性を示唆した.得られた研究結果について,2015年度および2016年度に国際学会等にて発表し,国際誌に投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定していた研究経過を着実に遂行できた.また,歩行機能と選択適応能力の関係について検討し,歩行機能の低下と選択適応能力との関係性を明らかとした.一方,動作課題による選択適応能力と脳の抑制機能との関係性を解明するには至らなかった.よって,高齢者の個別の要因について,今後検討していく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究の後,高齢者の個別の要因を探るべく健常高齢者の脳の抑制機能について検討し,実験データの分類および解析を行う. 2013年度,2014年度の研究結果より,高齢者における歩行を代表とする移動能力の低下に関わる要因の一つに選択適応能力の低下が関与していることが分かった. これらの要因について検討を加え,その問題を解決するための介入法力について検討を行う.
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Causes of Carryover |
研究計画に準じ遂行できいるが,実験協力者への謝金支払いについて年度末であったため一部遅延が生じ2015年度分での支払いとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に沿って実験を遂行し,高齢者の選択適応能力低下の要因を検討する.必要に応じ追加実験を実施する. また本研究で得られた結果について,国際誌等に投稿し,国際学会にて発表を行う際の投稿費,論文指導料および旅費として使用する.
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Research Products
(23 results)