2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25350930
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
奥田 援史 滋賀大学, 教育学部, 教授 (10233454)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 運動意欲 / 環境 / 一卵性双生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動意欲の形成に及ぼす環境要因の影響を明らかにするが目的である。そのために、同じ家庭に育つ、遺伝的に100%等しい一卵性双生児を対象として、運動意欲の差と環境要因の差を関連づける作業から、運動意欲への環境要因の影響について検討した。 今年度は、一卵性双生児3組(陸上長距離トップランナー、サッカープロ選手、甲子園出場球児)に対して調査を実施した。一卵性双生児の卵性診断は自己報告式の調査票を用いた。また、家庭環境の影響という観点から、同じ家庭に育つ3つ子きょうだいにも調査を実施した。調査内容は、性格検査(YG性格検査と運動意欲に関する質問紙)及び面接調査(生育歴、スポーツ歴、特殊な出来事など、特にペア間で異なる環境要因と言われる非共有感環境要因を特定する内容)である。 一卵性双生児ペアの差異に着目した分析の結果、運動意欲と性格特性の関連については、活動意欲の高い者ほど抑うつ傾向が低いこと、競争傾向の高い運動意欲の者ほど不安傾向が高いことが示唆された。また、競技レベルの差異でみると、競技レベルの高い者は活動性傾向が高く、劣等感や神経質傾向が低いという結果が認められた。 今回の調査対象となった一卵性双生児ペアの性格特性等がかなり類似しているので、別の検査バッテリーを用いる必要性があると考えられた。また、3つ子きょうだいについては、同じ家庭に育ちながらも、性格やスポーツ歴等において明らかな違いが認められた。このことから、同じ家庭に育ちながらも、どのような異なる経験をしているかを探求していく重要性を再確認した。
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Research Products
(4 results)