2014 Fiscal Year Research-status Report
子どもにとって望ましい身体活動量の検討ーネパールの子どもの調査を通してー
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25350932
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大柿 哲朗 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20101470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 武平 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教 (90522300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歩数 / 心拍数 / ネパール / 生活習慣 / 形態・体力 / 学校体育 |
Outline of Annual Research Achievements |
工業先進国化する以前の地域の子どもの身体活動量を明らかにする目的で、平成26年8月と27年2月に約2週間ずつネパールへ渡航し、首都カトマンズに隣接するパタン市の平地農村地にあるHgh View小中学校(H校:全校生徒364名)、カトマンズから約20km離れたチミ村にある兼業農村地域にあるGlory English小中学校(G校:255名)および約70km離れた丘陵地農村にあるShree Gyaneshowori小中学校(S校:194名)の児童・生徒の1)日常生活中の歩数(6~10日間)、2)24時間心電図(計68名)ならびに形態、体力、生活習慣、などを測定・調査した。 1日の歩数は、H校が男児12,902±2,759歩、女児10,213±3,261歩、G校が男児12,949±5,484歩、女児8,778±2,843歩、S校が男児14,719±2,332歩、女児12,267±2,655歩であった。H校とG校の歩数は前年度に調査したカトマンズ中心部の小中学校より約1,000歩多い程度で、子どもの1日の身体活動量は少ないと考えられる。その原因として、両校の児童・生徒は約6~8割がスクールを利用して登校している、学校に遊び場がないこと、体育の時間が無いことなどが考えられる。一方、丘陵地農村のS校の歩数は多いが、それでも前年に調査した同地区の他の学校の値より少なかった。これは調査時期が雨季であった影響が考えられる。24時間心電図のデータに関しては1日の心拍数としてまとめており、今後は、過去に調査した5校の形態・体力・生活習慣などのデータを加えて、子どもにとって望ましい身体活動量について検討を加えていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでネパールの首都カトマンズの小中学校2校、郊外の小中学校3校、伝統的なネパールの生活様式を残す丘陵地農村地帯の小中学校2校の児童・生徒について測定・調査を実施した。また丘陵地農村においては雨季と乾季の測定・調査も実施している。これらの調査・研究は、当初の計画どおり進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、これまでの歩数、形態・体力、生活習慣等に関するデータを比較し、子どもにとって望ましい身体活動量について検討を行う。また、これまでの調査校で各学校20数名ずつ24時間の心電図を記録しており、それらのデータを解析し、日常生活における身体活動量だけでなく、身体活動強度についても検討を加える。
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Causes of Carryover |
研究代表者の大柿哲朗は平成27年2月にネパールへ渡航し調査研究を行う予定であった。しかし渡航予定の2週間前に入院する事態が生じ、渡航調査ができなかった。そのため、予定していた渡航旅費が残額となった。なお当初予定していたネパールでの歩数や24時間心電図、形態・体力などの測定・調査は、共同研究者の中尾武平が実施した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年8月に研究代表者の大柿がネパールへ渡航して、平成27年2月に実施した丘陵地農村地を訪問し、調査地の詳しい事情(生業による収入、小中学校の授業スケジュール、授業内容等)について調査する予定である。
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Research Products
(2 results)