2015 Fiscal Year Research-status Report
幼児期および学童期の子どもとその親のQOLに関する研究
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25350938
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
林田 りか 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (50326485)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | QOL / 育児 / 幼児 / 学童 / 両親 / 調査票の開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は親の育児不安軽減や児童虐待防止のめに、幼児期・学童期の子どもとその親を対象にオリジナルのQOL調査票を開発し、それを活用して調査を行い、問題となりえる親子に関して具体的な改善策を検討することを目的としている。 研究実施計画『1.幼児期の子どものQOL調査票(絵カード式)とその親の調査票の改良』:(1)幼児期の子どもと母親用・父親用調査票の妥当性・信頼性に関しては統計学者のアドバイスを受け、絵カードの改良や概念領域、質問内容の再検討を行っている。(2)親と子どものQOL評価に関する進捗状況報告は、2014年4月のQOL研究会にて講演会を行った。(3)幼児期のQOL調査票の開発に関する報告は国内外の学会にて研究発表を行った。 研究実施計画『2.幼児期の子どもと親のQOL調査票の実施と分析』:(4)長崎県の保育園を中心に研究依頼を継続的に行い、調査者育成も実施中である。 研究実施計画『3.学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票の開発』:(1)先行研究を参考に、オリジナルである学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票を作成した。(2)長崎県下の小学校に通う学童期の子どもの母親約300名を対象に調査を実施し、回収できた98名のデータ分析を行った結果、信頼性および妥当性のある調査票となった。それは、第16回日本QOL学会、22th Annual Conference of the International Society for Quality of Life Researchにて学会発表した。 研究実施計画『4.学童期の子どもとその母親のQOL調査票の改良』:(1)オリジナルである学童期の子どものQOL調査票を活用し、今まで2回調査を実施した。再度、概念領域や質問内容の精選を行っている。また、母親のQOL調査票も合わせて検討中である。 子どもとその親に関する調査結果内容は、「育児について考える!~親と子どものQOLの観点から~」というテーマで一部、大学の公開講座で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25~27年度の研究計画実施状況を研究実施計画に沿って理由を述べる。 研究実施計画『1.幼児期の子どもとその親のQOL調査票の改良』:(1)幼児期の子どもと母親用、父親用調査票の妥当性・信頼性に関しては統計学者のアドバイスを受け、概念領域や質問内容の再検討、絵カードの改良を行った。(2)QOLに関する研究会や学会等で研究協力者の呼びかけを行い、少しずつ協力者が増えている。(3)幼児期のQOL調査票の開発に関する報告は、2013年の国内外での学会で研究発表を行っている。研究実施計画『2.幼児期の子どもと親のQOL調査の実施と分析』に関しては、実施依頼施設と調整中である。研究実施計画『3.学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票の開発』:(1)先行研究を参考に学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票を作成し、(2)長崎県下の小学校に通う学童期の子どもの母親約300名を対象に調査を行った。回収できた98名のデータを分析した結果、信頼性および妥当性のあるものとなった。これは、国内外の学会にて研究発表している。(3)本調査の実施に関しては調査依頼施設の関係上、実施が困難だった。研究実施計画『4.学童期の子どものQOL調査票の改良』:(1)以前、作成した学童期の子どものQOL調査票の妥当性、信頼性の検討のために再度、概念領域や質問内容の精選を行っている。また、母親のQOL調査票も合わせて検討中である。研究実施計画『5.学童期の子どもと母親のQOL調査の実施』:(2)長崎県の小学校を中心に調査を依頼中である。調査の実施許可に時間を要しており、現在は小学校数校に実施許可が得られている状況である。 以上より、研究実施計画1と4は進んでいるが、研究実施計画2と3はやや遅れている。研究実施計画5は今後実施予定のため、全体の計画としてやや遅れていると評価する。なお、本事業計画は3年間の予定だったが、計画実施がやや遅れているため事業期間を1年延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策について研究実施計画に沿って述べる。 研究実施計画『2.幼児期の子どもと親のQOL調査票の実施と分析』:(4)長崎県を中心に東京、大阪、福岡等の保育園に調査依頼を行い、親子約100組に調査を実施する計画に関しては、平成26年度から長崎県および大阪府、東京都の保育所を中心に研究会のメンバーを介して、調査依頼を行なった。しかし、協力施設の増加が難しいため、調査実施場所の縮小と調査対象者の数を検討する必要がある。本調査を実施後は、(5)幼児とその親の調査結果データの入力および分析、報告につなげる予定である。 あわせて、平成26年度から研究実施計画『3.学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票の開発』に着手し、プレテストを実施した。信頼性および妥当性のある調査票だったこと、本調査の依頼施設の関係上、実施困難だったことにより、平成28年度計画内容を変更する必要がある。平成28年度は母親用調査票の再検討を行い、研究実施計画『5.学童期の子どもと母親のQOL調査の実施と分析』に着手し、実施する予定である。しかし、調査実施依頼施設の受け入れ等が困難なため、調査実施場所と調査対象者の縮小を視野に入れ、本来の調査対象予定数500組から大幅に減少させる予定である。
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Causes of Carryover |
学童期の子どもおよび母親用調査票の妥当性・信頼性に関して統計学者のアドバイスを受けた。しかし、それに係る旅費が学会や研究会参加時、電話、SNS等で実施できたため経費が軽減された。さらに、幼児用調査票の絵カードは改良したが、絵カード増刷は今後行う予定である。『2.幼児期の子どもと親のQOL調査票の実施と分析』は今後実施する予定のため、人件費が少額になっている。また、調査依頼がほぼ長崎および福岡県下となっているため、研究依頼に係る旅費等も少額になった。『3.学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票の開発』では、プレテストは実施されたが本調査は検討中である。さらに、『5.学童期の子どもと母親のQOL調査の実施と分析』は平成28年度に実施する予定であるため、研究依頼に係る旅費や人件費、印刷費や郵送費等が少額になった。 以上のことから、旅費および謝金、人件費、その他経費の支出額が少なかったと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度研究実施計画は主に『2.幼児期の子どもと親のQOL調査の実施と分析』、『3.学童期の子どもをもつ母親のQOL調査票の開発』、『5.学童期の子どもと母親のQOL調査の実施と分析』である。QOL調査票の分析に伴い、統計学者のコンサルタントを多く得るため、旅費やコンサルタント料も多く発生すると考える。また、改良した幼児用調査票の絵カード増刷および謝金についても支出予定である。更に、調査未実施の計画に関しては、長崎および他県での施設における事前相談等を引き続き行う必要があるため、旅費が必要となる。さらに、調査実施に伴い印刷費、郵送費およびデータ入力のための人件費等も増加する予定である。研究成果報告のため、国内外への論文投稿ならびに学会発表等に係る経費も引き続き支出される予定である。 以上のことから、旅費、人件費、謝金等に係る支出額が多くなる可能性があると考える。
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Research Products
(2 results)