2015 Fiscal Year Research-status Report
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25350944
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 登志雄 (柳谷登志雄) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70329077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 潤二郎 平成国際大学, 法学部, 講師 (10360728)
宮本 直和 鹿屋体育大学, 体育学部, 准教授 (20420408)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子ども / ランニング / 校庭 / 芝生 / 骨格筋 / 筋活動 / フォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
校庭の芝生化が下肢の骨格筋機能に及ぼす影響を調査する目的で、芝生グラウンドおよび土グラウンドにおけるランニング時の筋活動量および筋活動パターン、ランニングフォームの相違を実験により検討した。その結果、芝生グラウンドでは、土グラウンドに比較して、一定距離の短距離疾走をする際のランニングタイムの増加、ランニング時の接地時間の延長、加速度の低下などが確認された。また、それに伴い、接地により筋が活動する時間が延長する傾向が確認された。また、安定した土グラウンドに比較して芝生グラウンドでは、直走のランニングにおいて発揮される筋が増加する傾向が確認された。 従来の見解は、芝生グラウンドにおける身体運動では、下肢の骨格筋における活動量が増大することにより、下肢の発育発達が期待されるということであった。しかしながら、これに関するエビデンスはこれまで得られていなかったため、本研究はこれについて検証することに意義および研究の重要性を有するわけであるが、本研究の結果により、芝生グランドにおけるランニングでは、姿勢を安定させたり、より速く走るために、より多くの筋をより長い時間発揮させる傾向があるため、仮説(従来の見解)通りの傾向が示されたことにより、下肢の骨格筋の発育発達が期待できる可能性が示された。 ただし、これらの実験は大学生を被験者として実施したものであった。本テーマは校庭の芝生化を想定したものであるため、今後は子どもを被験者とした検討も必要であると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究も目的は、校庭の芝生化が筋骨格筋機能に及ぼす影響について調べることであった。したがって、研究計画には芝生化の影響を横断的のみならず縦断的に調べることも計画されていたが、研究調査の実施を予定していた学校との調整不足および芝生の維持ができなかったことなどから縦断的研究を実施することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的な研究の実施は難しいと判断したため、当初の研究目的を達成することが出来るように、横断的研究のデザインを広げ、これまでに実施してきた実験の規模を拡大することとした。 具体的には、これまでの期間では、芝生およびグラウンドにおけるランニング時の骨格筋活動を調査してきたわけであるが、今後はランニングに限らず、様々な身体運動における下肢骨格筋活動を観察することを予定する。また、児童の体力について、芝生化の有無による差を横断的に比較する検討する実験も、これまでよりも規模を拡大して実施する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた実験を実施することが出来なかったため、人件費および謝金の支出が予定通りに行われなかったため。また、研究成果として発表する水準のデータを得ることが出来なかったため、予定していた学会発表などを実施することが出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験実施とデータ分析に要する謝金および消耗品費として、計1100千円を支出する予定である。 また、研究成果を学会にて発表する予定であるため、その旅費として500千円を支出する予定である。
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