2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350955
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
小川 佳代 四国大学, 看護学部, 教授 (80342343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 喜代子 四国大学, 生活科学部, 准教授 (70441582)
高橋 順子 四国大学, 看護学部, 准教授 (30552096)
中岡 泰子 四国大学, 生活科学部, 教授 (80248319)
前田 宏治 四国大学, 生活科学部, 講師 (50631727)
石原 留美 四国大学, 看護学部, 講師 (30631717)
加藤 孝士 四国大学, 生活科学部, 講師 (10631723)
尾崎 八代 四国大学, 看護学部, 助教 (30552103)
三木 章代 四国大学, 看護学部, 助手 (80552116)
吉村 尚美 四国大学, 看護学部, 助手 (90552117)
中澤 京子 四国大学, 看護学部, 助教 (50552113)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子育て支援 / ソーシャルネットワークサービス / 育児ストレス |
Research Abstract |
本研究は,本学を拠点としたSocial Networking Service(以下,SNS)を活用した子育て支援活動によって,地域住民を取り込んだ新たな子育て支援システムの構築を目指している.平成25年度の実施計画は(1)平成24年度に実施した調査の分析,(2)成果の公表,(3)SNSを用いた子育て支援活動の仕組み作り,(4)交流会の企画と準備の4点であり,以下の通り実施した. (1)および(2)については,事前に本学倫理審査委員会の承認を得て「A県における子育て支援ニーズに関する調査研究」を行った結果を分析し,「子育ての悩みやストレス解消法の地域比較」「育児ストレッサーの因子構造」「インターネットに関する意識」「A県内の戦前戦後の助産院『さんば』活動」について論文公表した.また,日本における育児ストレスに関する文献検討を行い総説として論文にまとめた.学会発表としては,助産師の立場で検討した子育て支援に関するもの3件,保健師の立場で検討した子育て支援に関するもの1件,子育て支援センター利用の母親の実態に関する検討3件を行った. (3)については,平成25年6月に子育て支援「すだっち」のホームページを立ち上げ,登録制のSNSのルールを作成し,研究者間で試験運用を開始した.9月より近隣の保育所及び幼稚園の子育て支援センター計4か所に通う母親を対象として,登録したメンバー間で情報の提示や交換を開始した.同時に(4)の交流会の企画も行い,子育て支援活動を平衡して準備した.小グループの交流会の第1回目を平成26年2月に実施した.交流目的のママカフェの時間だけでなく,母親のリラックス効果も考えて「ヨガ講習」も取り入れて開催し,参加した母親からのアンケートでは好評を得た.交流会の実施に当たっては児童学科および看護学科の学生の協力を得て実施し,将来の親になるための学習の一環にもなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「A県における子育て支援ニーズに関する調査研究」についての分析結果の公表については,概ね計画通り進めることが出来た.しかし,看護学(看護師・保健師・助産師),保育学(保育士),家族社会学,生活科学,心理学等の研究メンバーのそれぞれの専門的な観点で分析し個々にまとめているため,対象者である親の視点で子育て支援に関するニーズを問い直す分析と検討が十分ではないと考えられる. SNSを活用した子育て支援システムの構築を目指してそのルールを作成し,リーフレットも作成した.登録していただいた母親間でそのツールを活用するためにはまず研究者間でSNSを用いたコミュニケーションが自由に取れる状況にしておくことが必要である.しかし,研究者らが十分にツールを使いこなせていない状況がある. また,育児ストレスは有職の母親より,家庭で保育をしている専業主婦のほうが高いというこれまでの報告から,SNSを活用した子育て支援の対象者を子育て支援センターに通う母親とした.しかし,本取り組みの対象者は,週のうち何回か通う子育て支援センターの職員やそこで出会うママ友達との直接の交流を大切と捉えており,その場で育児ストレスの軽減を図っている様子が把握できた.そして,子育て支援を求めているのは母親たちが集まる場所に出かけることができない家庭で過ごす母親ではないかと考えられた.そこで,改めてSNSを活用した子育て支援の対象者についての検討が必要と考えられる. 子育て中の母親の交流会は,児童学科および看護学科の学生の協力を得て実施し,参加した学生からはよい評価を得た.さらに,学生の将来の「親育ち」に向けた学習の場になるための系統的な支援方法について検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度に企画・準備を進めてきた支援活動の実践を行うことと,その活動の検証・評価及び平成25年度の分析結果の論文作成と公表が主な計画である.具体的には次の3点である.(1)SNSを活用した子育て支援の継続活動および子育て中の親,祖父母,将来親となる学生など地域の人々を巻き込んだ交流会の企画・運営.(2)SNSを活用した子育て支援の効果の検証のためのアンケート調査.(3)平成24年度に実施した調査結果の更なる分析および論文作成と公表. SNSを活用した子育て支援活動はすでに依頼している連携研究者の協力を得て平成25年度に引き続いて実践を重ねていく.同時に対象者を母親に限定せず,祖父母や学生にも参加を求めて交流会を実施する.それらの活動を通して,SNSを活用した子育て支援の効果的な方法の検討や交流会の成果などについて参加者からのアンケート調査によって評価する予定である.すでに調査項目は作成できており,平成26年3月に本学倫理審査会の承認を得ている. また,平成25年度に学会発表等で公表したデータを,対象者である親の視点で子育て支援に関するニーズを問い直す分析と更なる検討を行い,社会に提言できるための論文作成に取り組む計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は前年度に実施した「A県における子育て中の母親の育児ストレス状況」の調査結果を分析し,学会発表と論文作成を中心に取り組んだ.その結果,当初計画していたソーシャルネットワークサービスを活用した子育て支援の実践活動及び子育て中の親との交流会の企画運営が計画段階と小グループの交流会実施までしか進展しなかった.そのため,企画のための情報収集や人件費,謝金及び実践活動に伴う物品の整備等に予算を活用できなかった.しかし,実践活動を展開するための下準備としての県内子育て支援センターや近隣の保育所・幼稚園の担当者との人的つながりは持てている. 平成26年度は,平成25年度に検討を始めた,ソーシャルネットワークサービス(SNS)を活用した子育て支援の実践活動及び子育て中の親との交流会の実施に向けた準備を開始する.そのため,実施場所,運営方法等を検討しながら必要な環境を整えていくための費用が必要である.そして,SNSが活用できるためにはデータ通信費用,コンテンツ作成ソフトも継続して必要となる.また,「A県における子育て中の母親の育児ストレス状況」の調査結果の更なる分析を行い,論文作成と投稿を計画しており,そのための翻訳料,投稿料が必要である.子育て支援におけるSNS活用の効果については,母親の実際の活用状況を評価データと考えていたが,十分な評価分析のための方法を検討し,効果判定のための分析ソフトの購入も必要と考えている.
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Research Products
(12 results)