2013 Fiscal Year Research-status Report
シナプス形成に重要なアストロサイトの拡張領域制御とシナプス動態の相関解析
Project/Area Number |
25350988
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
桂林 秀太郎 福岡大学, 薬学部, 助教 (50435145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (40312673)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アストロサイト / シナプス伝達 / グリア |
Research Abstract |
脳の神経回路は、神経細胞(ニューロン)とグリア細胞で構成される。哺乳類の進化の過程において、高次脳機能を有する高等動物ほど脳内のグリア細胞の数が多いといわれる。グリア細胞には、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトの3種類があり、グリア細胞の半数はアストロサイトである(Allen & Barres, Nature, 2009)。そのアストロサイトが存在しないと神経回路の架け橋である『シナプス』の数は激減し、伝達物質放出機能は低下する(Pfrieger & Barres, Science, 1997; Ullian et al., Science, 2001; Hama et al., Neuron, 2004)。 しかし、1)どれだけの数のアストロサイトが必要なのか、2)アストロサイトの占有面積とシナプス機能は関連するのか、などは不明である。 本研究の目的は、培養アストロサイトの形成領域の制御に基づいたシナプス動態(情報伝達)とシナプス形態(形成秩序)変化の作動原理を、in vitroレベルで解明することである。 初年度は、アストロサイトの数と面積に着目し、それぞれを実験的に制御できる環境を整えた。結果、ガラス基板上の細胞接着領域はマイクロ単位で制御でき、アストロサイトの接着面積を制御できるようになった。加えて、細胞の撒き数と実際の接着細胞数の相関も定量できたので、ニューロン1つ当たりのアストロサイト数も具体的に制御できるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro環境におけるアストロサイト培養規模を制御することに成功し、例数を確保することによって再現性が取れた。 一方、次年度から行う予定であったシナプス伝達機能の解析を初年度後半から着手しており、あとは結果の再現性を確認できれば論文投稿段階に入れると見込んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
パッチクランプ法によりシナプス伝達機能を定性・定量し、データの再現性を確認する。
|