2015 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ理論に基づく脳内ネットワーク解析による個性の解明
Project/Area Number |
25350994
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
堂西 倫弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70326354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金桶 吉起 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20280589)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 個性の神経基盤 / 脳内ネットワーク / 安静時脳活動 / パーソナリティ / 男女差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、個性の神経基盤の解明を目的とし、安静時脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて測定するものである。安静時の脳活動動態の個人差を明らかにすることによって、最終ゴールである『心の神経基盤』にせまる糸口を探ることにとどまらず、健常者の脳活動との比較が可能となることにより、種々の脳病態(依存症・強迫性障害などの神経精神疾患)の解明につながることが期待される。 平成27年度については、研究計画にしたがい、パーソナリティ特性の推定を行うための健常被験者(男女各50名)の募集は遅滞なく完了した。このデータを平成25および26年度に収集した基礎データベースの解析結果と連結したうえで解析を完了した。当初計画で想定したネットワーク解析の手法のみならず、グラフ理論の別の指標(正規化アルファ中心性)をこの領域では初めて導入した。 研究機関全体を通じて最も顕著な成果は、脳内ネットワークの中で男女差を示す複数の脳領域(両側の前島皮質・右の下前頭回・後頭葉の楔部)を特定したことである。また、パーソナリティ形成に関わる脳内ネットワークについても複数の脳領域の関与を示した。 成果発表については、正規化アルファ中心性による脳内ネットワークの男女差の解明(ヒト脳機能マッピング学会2015、ホノルル、平成27年6月15日)、安静時機能的MRIによる脳内ネットワーク構造の男女差の解明(第38回日本神経科学大会、神戸、平成27年7月29日)、安静時脳活動の男女差:正規化アルファ中心性によるネットワーク構造の検討(第108回近畿生理学談話会、大阪、平成27年10月24日)、男と女の脳内神経回路の違い(第4回ニューロカンファレンス和歌山、和歌山、平成28年1月9日)、安静時脳内機能的ネットワークの男女差(第18回日本ヒト脳機能マッピング学会、京都、平成28年3月8日)を行った。
|