2016 Fiscal Year Annual Research Report
Response patterns of single neurons in higher auditory cortex to artificial and natural sounds
| Project/Area Number |
25350999
|
|---|
| Research Institution | University of Yamanashi |
|---|
Principal Investigator |
地本 宗平 山梨大学, 総合研究部, 助教 (80324185)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 非対称知覚 / 振幅変調音 / 単一細胞記録 / 一次聴覚野 / 高次聴覚野 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
音の時間特性は音の検出や音源特徴の把握に影響を及ぼす。精神物理学的実験により、音の振幅が時間とともに指数関数的に増加する音（ramp音）と、それを時間軸上で反転させた音（damp音）は周波数スペクトル情報は同じであるのに関わらず、前者は後者に比べて主観的に大きく長く聞こえることが分かっている。この非対称知覚に関係した神経機構を明らかにするため、これまでに我々は覚醒動物の聴覚野から単一細胞記録を行い、これら非対称音に対する応答を調べた。これまでの研究結果より、一次聴覚野（Ａ１）には音包絡の急激な立ち上がりと減衰に一過性に応答する細胞群とゆっくりした立ち上がりと減衰時に持続的に応答する細胞群があることを発見し、一過性に応答する細胞群の応答が、ramp音でdamp音に比べて長く持続することを発見し、このことが非対称知覚の原因の一つである可能性を示唆した。しかしＡ１細胞の大多数は音圧変化の速度に感受性を示し、振幅方向に感受性を示す細胞は記録できなかった。本年度の研究では二次聴覚野と後部聴覚野から同様に単一細胞を記録し、非対称音に対する応答を調べた。その結果、ramp音とdamp音の音圧増加時に一致して応答を増加させる細胞と両音の音圧減少時に一致して応答を増加させる細胞が高次聴覚野に存在することを明らかにした。これらの音圧変化の方向に対する感受性を示す細胞群が非対称知覚の神経基盤の一部を形成する可能性が示唆される。
|
