2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域資源を再考した農業生産システムに対する災害レジリアンス評価の提案
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25360010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80346098)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 農業生産システム / 災害レジリアンス / 土地利用 / 空間モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象地域はインド東南部のタミルナドゥ州カダローア沿岸部およびインドネシアのジャカルタおよびその周辺地域である。本年度は最終年度にあたり,成果の取りまとめと成果発表を主として研究活動を実施した。これまで現地調査で収集した土地利用データ,農業生産システムに関するデータ,災害に関する認識に対してのデータの分析を行い,対象地域においてそれぞれ原著論文を1報ずつ計2報を発表した。インド,カダローア沿岸部においては2015年に実施したワークショップの結果により実際に住民の認識と行政の施策との乖離状況が確認でき,かつワークショップにおいて住民に対して行った災害レジリアンスに関する具体的行動や対応について解説を行い,ワークショップ後のアンケート調査によって住民の意識が大きく変化していることを確認した。現地還元型の研究成果が挙げられたと考えている。また,これらの成果は論文に纏め上げた他,行政担当者にも還元を行い,議論を交わす中で今後の施策への参考資料として利用する旨の確認を得ている。 インドネシアのジャカルタ周辺地域での研究は広域的視野から農業生産システムを捉え,収集した空間データを用いて,地域の持続性および農業システムのレジリアンスとの関連を定式化し論文として纏め上げた。すでに本科研による一定の成果は収めているが,この成果は今後,インドネシア,ボゴールで開催される国際シンポジウムでも報告する予定である。この国際シンポジウムでは多くの研究者と行政担当者が参加することが特徴であり,更なる成果の還元および社会実装を念頭に活動を展開する予定である。
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Research Products
(4 results)