2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ―ケニア国境地帯の政治的暴力と身体表現の関係
Project/Area Number |
25360015
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
波佐間 逸博 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20547997)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 紛争と戦争 / 医療人類学 / 牧畜 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年12月、総合研究大学院大学で開催された人間行動進化学会・特別セッションにおいては、東アフリカにおける生業牧畜社会への強権的外部介入の政治の前提的認識を崩す応用生態人類学の試みを提示した。具体的には、牧畜社会の重層的なアイデンティティという視点を共有し、牛との共生生活における便宜に即して選択される強力なカテゴリーの形成の機序を検討した。そのうえで、牧畜民集団間における共生の知恵として、種を超える<個体主義>の定式化を試みた。これにつづく現地調査においては、2000年代に実施されたウガンダ政府の武装解除政策によって、ウガンダ、ケニア、南スーダン国境地域に居住する牧畜民ドドスのあいだで、発生過程の複雑な武力紛争が増加した影響に注目した。その結果、ドドス社会における新しい「暴力の病」は、このような国家統制のパラドクスと言う文脈において、人びとが集合暴力を考察し、身体化し、経験し、取り扱う中心的なアリーナとして出現していたことが分かった。帰国後には、調査の成果を取り入れて論文としてまとめ、武力紛争における生活困難、暴力によって引き起こされた病の社会的な含意、それに関連した対処のメカニズムを分析した。
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Research Products
(13 results)
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[Book] Embodiment and Cultural Differences2016
Author(s)
Bianca Maria Pirani, Thomas S.Smith, Elkhonon Goldberg, Nithila Kanagabasai, Taina Kinnunen, Jaana Parviainen, Anastasia-Valentine Rigas, Hazama Itsuhiro, Marxiano Melotti, Mônica Mesquita, Ana Paula Caetano, Karen François, Liz Depoy, Steven Gilson, Rachael Burke
Total Pages
印刷中
Publisher
Cambridge Scholars Publishing
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[Book] Re-Finding African Local Assets and City Environments: Governance, Research and Reflexivity2015
Author(s)
Wakana SHIINO, Soichiro SHIRAISHI, Tom ONDICHO, Itsuhiro HAZAMA, Midori DAIMON, Yohei MIYAUCHI, Fumi KONDO, Mariko FUJIMOTO, Yasuaki SATO, Toshio MEGURO
Total Pages
289 (41-57)
Publisher
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所