2016 Fiscal Year Annual Research Report
Change in People's Behaviour and Regional Structure Caused by Private Companies' By-passing Activities: A Case of Madagascar Mountainous Region
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25360035
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
飯田 卓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (30332191)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 天然資源 / 暫定政権 / 小規模生産者 / アフリカ / マダガスカル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は現地調査をおこなわず、国際人類民族科学連合(IUAES)および日本文化人類学会にて口頭発表をおこなった。いずれもミクロな視点からの調査結果を報告したもので、生存のために用いられていた日用品製作(とりわけ木彫品製作)の技術が外部アクターの関与によって商品生産に転用されていくようすを描くことができた。これは、僻地が急激にグローバル化していく状況において生じた現象で、資本が国家に先がけて村落生活に影響を及ぼしていくという研究開始時に予想した状況(国家統治をバイパスした民間活動)を明白なかたちで示すものだった。このことにより、マダガスカルの政治経済状況が端的に示されるとともに、住民行動がそうした背景のもとに変化するようすも示された。 この研究結果は、マダガスカルの状況を明らかにしたのみならず、文化が内外から再定義されていくプロセスを一般的に考察するための糸口をも提供した。口頭発表でも若干触れることができたが、より本格的には今後の論文執筆で考察を深めていく予定である。 現在、口頭発表をもとにした日本語論文および英語論文の出版を準備中であり、日本語論文のほうはすでに出版確定にまでこぎつけた。日本語論文の刊行後ただちに、英語論文刊行の準備に拍車をかけると同時に、マクロな視点からの調査結果(とりわけ地域構造の変容とアフリカ的ネオリベラリズムに関わる論点)の公表にむけて、残された資料分析を進めていきたい。
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Research Products
(5 results)