2016 Fiscal Year Research-status Report
Gatekeeper概念を組み込んだ行動変容理論による父親の家事参加行動の研究
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25360040
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 父親の家事参加 / 妻の出産意欲 / 妻の継続就業 / 心理的幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、夫の家事参加が妻の出産意欲、就業継続意欲や昇進意欲にどの程度の影響を与えるか、を中心に研究を行った。関連するテーマでの学会発表はARAHE(Takahashi & Nakajima,5月、韓国:夫が家事・子育てに関与すると、両行為とも妻は負担が軽くなったと実感するが、妻の出産意欲に有意に影響を与える変数は家事で、子育ては有意ではない)、NCFR(Takahashi, Kurokawa, & Kuramoto, 11月、ミネアポリス:夫の料理遂行意欲に有意なプラスの影響を与えるのは、自分は家族のために料理を提供できる、という意識である)、IFHE(Takahashi & Fujii,3月、アイルランド:夫が家事を分担し、家族の役にたっていると思えることで、自身の心理的幸福感にプラスの影響を与えている)で行った。現在、NCFRで発表した内容の学会紙投稿原稿にむけて修正中である。 父親が子育てといった楽しい仕事ではなく、家事というエンドレスで評価されることの少ない、しかしながら生活を営む上では欠かせない仕事に携わることを、「当たり前」となることは、父親自身の心理的幸福感を高め(Takahashi & Fujii 2016)、妻の出産意欲や継続就業意欲を高める(Takahashi & Nakajima 2016)。 家族システム論に基づけば、子どもへの影響もあるはずである。父親の家事参加や子育て参加が子どもの社会性(協調性や自己表現)にどのような影響があるか、プロセスや影響力の大きさを引き続き検討することが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会発表などは順調に進展しているが、投稿論文の作成など活字への新着状況が想定より遅れている。 最終年度を1年延期していただいたので、平成29年度はしっかり取り組む所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
家族システム論に基づけば、父親の家事参加や子育て参加は、子どもへのプラスの影響もあると考える。父親の家事参加や子育て参加が子どもの社会性(協調性や自己表現)にどのような影響があるか、プロセスや影響力の大きさについて、アンケート調査などを通して明らかにする。 平成29年度も、国内・国際学会には積極的に参加する。
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Causes of Carryover |
平成28年度にゲートキーパーに関する国際比較アンケートを実施する予定であったが、アメリカでは謝金が必要といわれ、実施が難しくなったこと、代表者が所属機関を異動したことなどにより、未実施となっている。他方、父親が家事参加することの家族への影響、具体的には妻の出産意欲行動や子の社会性、非認知能力へ与える影響など、経路を確認したい新たな従属変数が出てきたことも要因の1つである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、平成29年度に実施する父親の家事・子育て参加行動のあり方が、社会性など子の非認知能力に与える調査経費や国際学会での発表経費などに充てる予定である。
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Research Products
(4 results)