2013 Fiscal Year Research-status Report
復興支援のジェンダー分析:武力紛争後の元女性兵士の社会復帰から
Project/Area Number |
25360048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
高松 香奈 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (10443061)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジェンダー / 開発援助 / 社会復帰支援 |
Research Abstract |
2013年度は研究初年度であるため「基礎調査」と位置づけ、①ジェンダー視点から復興支援における元兵士の社会復帰についての議論の整理と、②国連安保理決議1325の動向、そして③現地調査によるスリランカの内戦におけるLTTE の女性兵士の徴用とその経験、の3つの柱を中心に研究をおこなった。上記①、②については、文献調査(先行研究および国際機関報告書)と、スリランカ国内のNGO、政府機関への聞き取り調査により、明らかにした。上記③については、初年度の基礎調査であり、2014年度の本調査のための調査という位置づけで実施した。2013年度の実績としては、文献調査を終え、国連安保理決議に内在する問題点と運用上の問題点について考察することができた。また、現地聞き取り調査に関しては、調査対象者の選定ができ、また民間団体を通した支援活動(生計向上プロジェクト)により、聞き取り対象者の情報を常時入手し、かつ聞き取り調査で重要な信頼関係が構築されつつあると考える。また、初年度の研究については2014年6月に開催される「国際開発学会」で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、特に現地調査の実施と進捗を懸念したが、現地NGOや政府機関のサポートも受けることができ、調査は予定通り進んでいる。また文献調査も、計画通り進んでいると考える。また、現地調査で実施した、ワークショップが、聞き取り対象者の経済的エンパワーメントの一端を担うものとなり、これが順調な調査の進展に影響を与えたと考える。また、現地の治安も安定しており、計画通り調査が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の現地調査は「本調査」と位置付けており、これまで通り、現地NGOや政府機関との連絡を密に取りながら、調査を進めていきたい。また、来年度は研究最終年度であるため、本年度の調査で発生した疑問は、本年度中に解明し、来年度は取りまとめに入れるよう留意して研究を進めていく。また、本年度後半には、前半での学会報告を基礎に、論文を仕上げていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
想定していたよりも予備調査が順調に進んだため、予備調査の一部を本調査(2014年度に入ってからの調査)に組み込むものとした。そのため予算の一部を2014年度に繰り越し、より充実した本調査を目指している。 2014年度の予算は、文献調査と現地調査に使用する。現地調査は、合計3回を予定し、2013年度の調査をフォローアップし、ライフヒストリーインタビューを完成させていく。
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