2014 Fiscal Year Research-status Report
戦時下における中国人女性の日本留学 －華北・華中地域を中心にー
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25360051
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
周 一川 日本大学, 理工学部, 教授 (00303008)
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2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 戦時下 / 日本留学 / 中国人女性 / 女子留学 / 留学教育 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、三年に分けて日中戦争期における女性の日本留学の背景、展開過程及びその全体像と特徴を明らかにしようとするものである。平成25年度第一段階では、華北地域を中心に調査対象者へインタビューを行い、文献資料を収集し、資料の収集は順調におこなうことができた。平成26年度第二段階では、調査の重点を華北地域から華中へ移し、夏休みに上海と広州へ出張した。上海の欧米留学生同学会の分会である上海留日同学会と広州の広州留東同学会には連絡が取ることができたが、残念ながらインタビューできる元留学生を見つけることができなかった。そのため、今までに連絡が取れた「満洲国」からの元留学生に再びインタビューを行い、華中地域から日本に来た元留学生の状況を聞くことができた。カナダ在住のW氏（88歳、奈良女高師1943年入学生）と大連在住のＫ氏（89歳、東京女子専1943年度入学生）は、インタビューを受け入れてくださり、「満洲国」以外の留学生について説明して、当時の写真なども提供してくださった。
26年度中、海外へ7回（2014/0501-06、2014/07/24-08/01、2014/08/12-09/02、14/09/05-15、 2014/10/30-11/03、2014/12/28-2015/01/08、2015/03/18-31）中国（上海、広州、北京、成都、済南、大連）とカナダ（バンクーバー）に出張し、国内では広島大学で広島文理科大学の資料を中心に収集した。文献資料を収集するため、近代史料の豊富な上海図書館を訪ねた。さらに広州図書館、北京図書館などで、当時の雑誌、新聞、官庁の日本留学に関する資料を調べた。日本国内では引き続き各図書館、史料館および関連大学の図書館で文献資料を収集した。
今年度新たに入手した資料から、戦時下東京女医専の留学生について判明したことが多く、現在論文作成に着手している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究活動は、おおむね計画通りに進められることができた。文献資料の収集は順調に進んでいる。華中地域の元留学生にインタビューする計画は該当者が見つからかなったため実現できなかったが、元「満洲国」留学生の協力によって華北・華中地域の留学生についていくつかの新たな事実が判明した。
今までの研究で多量な留学生に関する資料を入手することができたので、今年度総合的な中国人留学史資料を分析して「近代中国人留学生統計資料に関する考察 ―民国期を中心に―」(中国研究所『中国研究月報』、2014年11月号、26～39頁)を発表した。さらに、留学生史研究会を中心とする研究成果をまとめた書物（『近現代中日留学生史研究新動態』（中国語）上海人民出版社、2014年3月（共著）；『近現代中国人日本留学生の諸相―「管理」と「交流」を中心に』御茶の水書房、2015年3月（共著））を出版された。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は本研究の最終年度であるため、引き続き存命中の元留学生を探すことと、幅広く資料を収集すること、論文にまとめることに重点に置く。調査地域は北京、上海など以外に台湾も入れる予定である。留学生の関係資料をかなり保存している国史館、中央研究院近代史研究所付属档案館を中心に調査する。
調査費用は26年度よりさらに増えることが予想される。平成26年度の研究費使用枠では、旅費が殆どであったが、それでも不足であった。
平成27年度も、90%以上を旅費にあてる予定である。海外出張予定地域は、北京、上海、南京、広州、済南、及び台湾、そして国内出張の予定は、奈良女子大学、九州大学である。
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Research Products
(4 results)
