2015 Fiscal Year Annual Research Report
戦時下における中国人女性の日本留学 -華北・華中地域を中心にー
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25360051
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
周 一川 日本大学, 理工学部, 教授 (00303008)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 戦時下 / 日本留学 / 中国人女性 / 留学教育 / 留日女学生 / 留日学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日中戦争期に設立された中華民国臨時政府と中華民国維新政府及び南京国民政府の統治時期における女性の日本留学の背景、展開過程及びその全体像と特徴を明らかにしようとするものである。平成27年度はこの研究の最終年度であり、引き続き関連資料を収集すると同時に、得られた資料を分析し、論文にまとめる作業を進めた。今年度は、台湾からの留学生の資料を収集するために、台北の中央研究院近代史研究所档案館と国史舘を訪れた。両史料館には中国人の日本留学に関する資料が豊富で、貴重な資料を入手することができた。 戦時下の中国人日本留学についての資料を収集するため、三年間にわたって中国、カナダ、台湾に計20回出張した。出張中に各地の地方図書館で当時の雑誌、新聞、官庁の教育関係資料を調べ、戦時下における日本留学に関する資料を集めた。同時に広州、上海、北京などの留学生組織にコンタクトを取り、留学生の回想録や画像などの資料収集に力を入れた。特に広州「留東同学会」では戦前留日学生の子女グループのリーダにお会いすることができて、貴重な写真などをいただき、収穫が多かった。平成25年度に北京在住のJ氏(奈良女子高等師範学校卒業生)と天津在住のK氏(奈良女子高等学校卒業生)、平成26年にカナダ在住のW氏(奈良女高師1943年入学生)と大連在住のK氏(東京女子専1943年度入学生)にインタビュー調査を行うことができた。皆様高齢であるにもかかわらず、インタビュー依頼を受け入れて、戦時下の日本留学について詳細に話してくださった。日本国内では東京にある図書館、史料館および関連大学の図書館で文献資料を調べた。 一連の調査で得た資料を照合する過程で日中戦争期に設立された中華民国臨時政府と中華民国維新政府及び南京国民政府の統治時期における女性の日本留学の実態が見えるようになった。それらは今後の論文で発表する予定である。
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