2015 Fiscal Year Research-status Report
ジェンダーの視点からみた更年期不定愁訴の新しいニーズアセスメント指標の開発
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25360057
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| Research Institution | Nara University |
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Principal Investigator |
島本 太香子 奈良大学, 社会学部, 教授 (70254505)
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2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 女性医学 / ジェンダー / ヘルスケア / 不定愁訴 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、更年期女性にみられる様々な不定愁訴を、心理学的社会学的な側面からとらえ直し、患者の主体的な生き方と希望とその実現のために必要な支援を考慮した新たなニーズアセスメント指標を開発することにより、患者の主体的な症状との向き合い方と医療と関連領域の専門職や支援者の共通理解と全人的ケアの実現に資することを目的としている。
27年度はこれまで収集した基礎資料の分析から、（１）閉経期女性について、ジェンダー特性の違いに注目した自覚症状の種類、重症度、QOL、治療効果、主観的健康度、心理テストの差異の分析をすすめた。（２）閉経期女性の対照研究として若年女性について、ジェンダー特性の違いにより、月経に関連した自覚症状の種類、重症度、QOL、治療効果、主観的健康度、心理テストの差異の分析をすすめた。その結果、いずれの対象においても、ジェンダー特性により自覚される症状の種類に差異がみられた。これらの結果をもとに、対象者への介入研究を実施する準備を行った。
研究計画のもう一つの柱である新しいニーズアセスメント指標を開発するための、不定愁訴に関わる社会的文化的な背景の研究班では、海外の研究者を通じて当研究で用いたジェンダー特性の指標と不定愁訴の関連を調査した。ジェンダー特性評価指標としてはBem's Sexual Role Inventory (BSRI)が最も諸外国で用いられており、本研究におけるジェンダー特性の評価においてもBSRIに準拠することが妥当と考えられる。更年期症状、特に不定愁訴におけるジェンダー特性の影響は諸外国では多くの研究がなされていないが、本研究でこれまで得られ結果から日本においては治療戦略を立てるうえで有用となる可能性が考えられた。タイプの分類に加えBSRIの質問カテゴリーとの相関を見ることによってこれを向上させることのできる可能性が考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
閉経期女性の不定愁訴と対照として若年女性の月経関連症状の分析をすすめ、自覚される身体的精神的な症状の分類や重症度の評価、ジェンダー特性のタイプ分けや評価法の妥当性の検討は順調に進んだが、連携研究者として本研究の心理学的分析班を担当していた当学教授が病気療養、逝去したため、当初の研究計画であった対人関係構築指標をもとにした心理学的背景と自覚症状の関連について分析する研究体制の再検討が必要となった。そのため、心理学的な要因に関する分析が遅れ、それらの結果をもとにした介入研究を今年度中に実施することが出来なかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
対人関係構築指標等をもとにした心理学的背景と自覚症状の関連の分析について、研究体制を再構築し分析を進める。それに基づいて介入研究を実施する。
セルフケアに関するニーズアセスメント指標について、これまでの対象者の調査分析の結果と、社会文化的背景に関する研究の調査結果をもとに検証を進める。
女性特有の自覚症状やジェンダー特性の関連について、閉経期に限らず様々な世代や立場の女性の実情を把握することで閉経期というライフステージに特有のニーズアセスメントを分析する。
女性のヘルスケアの診療現場におけるジェンダーに関する視点の現状を調査する。
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| Causes of Carryover |
連携研究者として本研究の心理学的分析班を担当してた当学教授が病気療養、逝去したため、当初の研究計画であった対人関係構築指標をもとにした心理学的背景と自覚症状の分析について研究体制の再検討が必要となった。それに伴い、今年度に予定していたオリジナル啓発パンフレットの作成、および分析結果をふまえた介入研究が実施できなかったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象者（閉経期女性、若年女性）に対して、ジェンダー特性とセルフケアの方策に関する指導を行い、昨年度に予定していた介入研究を実施する。
これまでの研究の分析から明らかになった成果を盛り込んだ女性の健康とセルフケアに関するオリジナル啓発パンフレットを作成する。
研究成果の公表として、若年女性から中高年女性のライフステージごとに講演会、シンポジウムを開催する。
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| Remarks |
2016年7月31日「ひらめき★ときめきサイエンス」で研究成果の公表
（研究成果を大学ホームページに掲載予定、作成中）
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 女性と健康2015
Author(s)
島本太香子
Organizer
奈良市地域婦人団体連絡協議会総会
Place of Presentation
男女共同参画センターあすなら（奈良県奈良市）
Year and Date
2015-05-18
Invited
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