2016 Fiscal Year Annual Research Report
philosophical dimensions of media technologies
Project/Area Number |
25370030
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大黒 岳彦 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (30369441)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メディア / 技術 / コミュニケーション / 情報社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の成果──すなわち、(1)社会構成の機制としての〈メディア〉概念と「メディア技術」との関係の確定、および(2)間主体的コミュニケーション技術としての「メディア技術」の本質的特性を、対自然的な開発技術との比較において定式化したこと──を踏まえながら、本年度は「メディア技術」と「開発的技術」を総合統一する「技術」概念の定式化作業およびデジタル・メディア技術およびネットワーク・メディア技術を範型としつつ、従来の対自然的開発モデルの「技術」観には欠落していた、間主体的コミュニケーションモデルの「メディア技術」の特性を定式化に取り組んだ。さらに、対自然・間主体という二つの「技術」を統合するための理論的視座を獲得することを目指した。 但し、可能な限り議論に具体性を持たせるために、現在の情報社会における諸現象やトレンドに注目する形で研究を行った。すなわち「シンギュラリティ」や「ディープ・ラーニング」によって社会的な注目を集めた人工知能、そして掃除ロボットやヒューマノイド、更には自動運転車の形で社会性を急速に獲得しつつあるロボットを、最新のメディア技術とみなした上で、これらの技術哲学的意義を考察するかたちで研究を進めた。その結果として、研究は「メディア技術」に集中し、「開発的技術」を統合するための視座の獲得には及ばなかった。ただ、その端緒的な洞察は得られた。 以上の成果は、2018年度秋に公刊した単著『情報社会の〈哲学〉──グーグル・ビッグデータ・人工知能』(勁草書房刊)として纏めた。
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Research Products
(1 results)