2014 Fiscal Year Research-status Report
記述に根ざした技術の現象学的研究:技術の記述的探求と批判的視点の確立
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25370032
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
金光 秀和 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (50398989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
本田 康二郎 金沢医科大学, 教養部, 講師 (40410302)
寺本 剛 中央大学, 理工学部, 助教 (00707309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 技術哲学 / 現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、(1)6月にオランダで開催された日蘭技術哲学ワークショップ(オーガナイザー:本田康二郎、Peter-Paul Verbeek)に参加し、本科研費の関係者では、金光、直江、本田、鈴木が研究発表を行った。これによって、日本の技術哲学的探求の成果を世界に発信することができた。今年度は技術の営みを言語化・明示化することを目標の一つとしたが、このワークショップでは、特に日本の職人に関する記述的探求の成果を発表する重要な場となった。 なお、このワークショップでオランダを訪れた際に、(2)現代の技術哲学の中心であるオランダの技術哲学に関する教育の状況について調査をすることができた。Peter-Paul Verbeekが実施する授業も見学させてもらったりしたが、現在、科学技術の領域における研究倫理の教育が重要な位置を占めていることが明らかになった。 また、(3)3月に全メンバーで研究会を金沢で開催して、それぞれの当該年度の研究の進捗状況を総括するとともに、平成27年度の研究のあり方について議論した。そこでは、職人に関する記述的探求が当初の予想以上に重要な知見を生みそうであること、そのかわりに理論的探究がやや遅れていることが確認された。また、これまでの研究成果を世界に発信するために、平成27年度に開催される技術哲学会(Society for Philosophy and Technology)に参加して発表することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画とした、「職人の営みなどの記述的探求」、「技術哲学に関連した教育の調査」について順調に目標を達成したため。前者については、鈴木が山形の職人の調査を順調に進めており、その成果は平成27年度に発表される予定である。後者については、日蘭技術哲学ワークショップに参加した際に、現代の技術哲学の中心であるオランダの状況について調査をすることができた。ただし、「記述的探求と技術への批判的視点の考察」という計画についてはやや遅れており、全体としておおむね順調な進展と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、「技術への批判的視点の考察」と「技術哲学に関するシラバスの作成と試行」を最終年度の計画としたが、研究を進める過程で、職人などの営みの記述的探求の重要性が認識されたため、前者については、理論的考察の練り上げとして、「技術への批判的視点の考察」に先立って、「記述的探求の総括」を目標とする。後者については、予定通り作成と試行を行う。
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Causes of Carryover |
研究情報の共有などにより、購入が不要になった研究書があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度の研究を進めるために必要な研究書の購入にあてる。
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Research Products
(12 results)