2013 Fiscal Year Research-status Report
心の記述学を作る:実践理論としての認知現象学の構築を目指して
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25370034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マインド・リード / 身体動作 / 心的状態 / サイコパシー |
Research Abstract |
本研究は、昨年度まで3年間にわたり行ってきた「身体動作の認知現象学――心の科学の方法論的拡張を目指して」の基本構想を拡充し深化させることを目的としている。この研究では、人の心的状態や心的傾向が身体動作や表情に表出する可能性の探究と、他者がそれらを観察したときその人の心の内部がどの程度理解可能になるのか、そうした表出には何らかの一般性があり、マインド・リードは技能として習得可能なものなのか、という課題をテーマの一つにかかげ、現象学的・認知科学的解明を目指してきた。本年は、この研究プロジェクトの「拡充」という点で新たな実験パラダイムを構築する一方、これまでの成果を論文としてまとめ上げる作業も行った。実験パラダイムについては、サイコパシーの心的傾向性をもつ被験者を含めた新たな実験映像と、質問票を作成し、予備実験を行った。また、これまでの研究の継続という点では、ふたつの論文を執筆した(Mediated minds, Problem of Naturalizing phenomenology)。また、これらのほかに、国際学会での発表3件、共著書1冊を成果として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定してる目的(実験パラダイムの構築、国際的な出版社からの著書の公刊、論文の公刊)については、国際学会での発表、国際学会誌での論文執筆、国際的な出版社と国内の出版社から共著書を複数発行(うち1冊は公刊ずみ、2冊は脱稿ずみで夏までに公刊予定)するなど、一定の成果をあげている。そのため、「おおむね順調に進展している」という評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は構築済みの実験パラダイムに基づく予備実験を重ねた上で、本実験へと移行する。その成果を国際学会、国際的な出版社から論文を発表するほか、国内では本研究をふくめた単著の執筆を遂行する。具体的には、Springerから出版予定のinterdisciplinary Evolution Research, Vol. 1、The Evolution of Social Communication in Primatesの一部を執筆予定であり、Lexinton Booksから出版予定のPostphenomenologyシリーズの第一巻の一部を執筆予定である。そのほか、大修館書店より単著を出版予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な書籍を物品を利用して購入予定であったが、実験等、ほかの作業に時間を多く費やしたため、新たな書籍を購入しての文献研究に着手できなかった。ただし、ネット上で入手可能な最新の研究成果については随時情報を確認している。 論文発表のために旅費、文献購入、研究に仕様するPCなどの購入に充てる予定である。
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