2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
名和 敏光 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (30291868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 時昌 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 出土資料 / 日書 / 術数学 / 方術 / 陰陽五行 / 馬王堆漢墓帛書 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの具体的内容とその成果は以下の通り。 1、中国古代占術の中で漢初の占術理論を記述した馬王堆帛書の占術書を主として考察した。とりわけ、『陰陽五行乙篇』について発表された写真版により本文を復元し、内容を分析し、その文献構造について考察し、「馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》乙篇の構造と思想」に纏め公表した。また清華大学蔵戦国竹簡「傅説之命」の研究を訳注・論考として公表した。また、日本近世の年号勘文に関わる研究を翻刻・考察として公表した。『出土文献と秦楚文化』第7号を、上海博楚簡研究会と協力して刊行した。 2、中国古代占術を研究するために、関連文献の電子テキスト化に着手し、主要文献のテキスト化を行った。対象として取り上げたのは、馬王堆帛書(『陰陽五行甲篇(式法)』『陰陽五行乙篇』『出行占』)、放馬灘秦簡日書、隨州孔家坡漢簡日書、睡虎地秦簡日書等である。また、後世の『天地瑞祥志』等も一部集録した。 3、分担者及び協力者との連絡が円滑に行える様にメーリング・リストを作成した。また、分担者・研究会参加者相互の意思の疎通を円滑にするために、研究打ち合わせ会を開催した(全9回)。京都大学人文科学研究所研究班「術数学研究会」と連携し、研究討論会を開催(全9回)した。上海博楚簡研究会と連携し、「出土資料と漢字文化研究会」を開催(全6回)した。天地瑞祥志研究会と連携し、研究討論会を開催(全10回)した。 4、今年度は国際的に日中韓の研究者と協力してネットワーク作りを推進した。海外の国際学会に4回参加し、学術交流及び研究報告を行った。清華“清華簡”国際学術研討会(ダートマス)、東アジアにおける術数学への多角的アプローチ(ソウル)、“簡帛《老子》与道家思想”国際学術研討会(北京)、清華簡与《詩経》研究国際会議(香港)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、4つの国際会議に招聘され、3回の報告・講演を行うことができた。韓国ソウルの円光デジタル大学で行われた「東アジアにおける術数学への多角的アプローチ」では、研究分担者の武田時昌教授と参加し、我々が推進する「中国方術理論の遡及的考察」プロジェクトの目的・異議を大いに提唱し、賛同を得ることができ、また最新の簡牘・術数学に関する報告を行った(参加者150名)。アメリカダートマス大学で行われた「清華“清華簡”国際学術研討会」では、「清華大学蔵戦国楚竹書「傅説之命 下」研究」として報告・コメントをすることができた。香港浸会大学で行われた「清華簡与詩経研究国際会議」では「〈深入其阻〉攷」として報告できた。また、それぞれの会議では多くの研究者と交流し、アメリカダートマス大学及び北京大学ではアティト・アンドリーニ教授(イタリア)と7月の招聘について内諾をもらい、北京大学では劉楽賢教授・李零教授・マルク・カリノフスキー教授と親しく情報交換し学術的教唆を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要の通り順調に進んでいるので、今後もこれを維持して推進して行く。 平成26年度は、7月にイタリアからアティト・アンドリーニ教授を招聘し、中国出土資料学会で報告をしてもらう予定である。また、秋に上海において研究分担者の武田時昌教授とともに術数学のシンポジウムを計画している。 馬王堆漢墓帛書の術数に関する著作を総合的に取り上げ、ワーキングを立ち上げてこれまでの研究成果を踏まえたより深い「式法」の読解・研究を分担者及び若手研究者ともに行い、それらの訳注を作成するとともに論文として纏める計画である。例えば、「式法」の「天一」「歳」「淦地」「天地」などの移動の数理的な理論を考察するとともに、後世の術数書『武経総要』『協紀辨方書』などの文献と比較し、遡及的な考証を行う。
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