2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370049
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
山田 俊 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30240021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 『陰符經』 / 夏元鼎 / 唐淳 |
Outline of Annual Research Achievements |
・唐~宋の中国思想史に於ける『陰符經』の受容状況を、唐~宋の思想・文学・歴史文献を資料として網羅的に調査し、当時の士大夫が『陰符經』を『道徳經』と同程度に重要な文献として受容していたことを確認した。同時に、唐末~北宋の間の『陰符經』注釈は内丹的立場からの注釈ではなく、『道徳經』と同様にある種の原理的思想を提供する文献と見做した上で撰述されたものであり、それが内丹文献として認識され、内丹的注釈が撰述されるのは南宋に入ってからであることも確認した。このことにより、従来、『陰符經』及びその注釈を無条件に錬丹文献と見做してきた通説を修正することが出来た。併せて、唐~宋の『陰符經』諸注の解題を作成し、唐~宋の『陰符經』諸注に基づいた「校本『陰符經』」のテクストを作成した。 ・『陰符經』注釈に係る個別問題を、(1)「北宋に於ける『陰符經』の受容について」、(2)「唐淳『黄帝陰符經注』的思想與其道教思想上的意義」、(3)「夏元鼎『悟眞篇講義』的思想及其在道教思想上的意義」、(4)「劉處玄『黄帝陰符經注』について」、(5)「夏元鼎『黄帝陰符經講義』について」として、学会等で報告した。 ・個別問題について、(1)「宋代に於ける『陰符經』の受容について」、(2)「唐淳『黄帝陰符經注』の思想と道教思想史上の位置」、(3)「夏元鼎思想研究之一―『悟眞篇講義』を中心に―」、(4)「『元陽子』小考」、(5)「『安樂法』」小考」等の論文を刊行した。 ・以上の論考に未発表論考を加えた報告書『中国近世期『陰符經』諸注の総合的研究』をまとめた。
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Research Products
(2 results)