2014 Fiscal Year Research-status Report
芸術的感性におけるスピリチュアリティの占める位置に関する量的及び質的研究
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25370073
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Research Institution | Tohoku University of Art and Design |
Principal Investigator |
久保田 力 東北芸術工科大学, 教養部, 教授 (80192566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 諭 秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40240486)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 質問紙調査 / スピリチュアリティ / 色イメージ / 父と母 / 補色残像関係 / 色相派 / 色調派 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はまず、調査結果の中から、父と母の色のイメージについての2つの質問項目に対する回答結果の整理と分析を行った。その研究報告を、印度学宗教学会(6月於種智院大学)と日本宗教学会(9月於同志社大学)のそれぞれの学術大会において口頭発表した。そして、それらを各学会の学会誌で論文掲載した。そこにおいては、特に、父と母の色のイメージが、ちょうど色相環における補色残像関係を示しているという特徴を指摘した。散布図を作成してみると、両親の色イメージの補色同士の組み合わせ型に大きく色相派と色調派の2つの集団が見て取られ、さらに、色相派には、純色群、明暗群、父性穏健群、重厚群という4つのグループが、また、色調派には、明暗群と強弱群と柔和群の3つのグループが確認された。 つまり、イメージ色からの両親の関係として、〈明るい母:淡い父〉、〈濃い母:濃い父〉、〈淡い母:濃い父〉、〈やさしく穏やかな母:明るく鮮やかな父〉、〈淡い母:淡い父〉などというような夫婦像が推測されることを示唆した。最後に挙げた例(父母ともに淡い)の色イメージの色調派穏健群のグループは男性よりも女性に広範囲に分布していることも確認された。散布図の上では、色相派と色調派の2つの集団が上記のような7つのサブ・グループに分かれつつ、3つの領域に分布していることを示した。今後、このような分析が、新たな家族観の発見や創造につながっていくことを期待して論を置いた。詳細は『東北芸術工科大学紀要』第22号、2015年、pp.8-9、164-173にて論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先述のように、昨年度はまず、家族関係の中の両親の色イメージの集計とその分析に終始した観がある。2つの質問項目のみの分析ではあるが、恐らくこれまで実証的かつ明確に指摘されたことがないと思われる父母の補色残像関係について指摘することができ、また、イメージの分布状況に関して7種のグループの存在にも気付くことができた。そして、このことを2つの学会で研究報告し、それらを3つの論文にて公表することができた点はよしとしたい。ただ、あまりにも分析範囲が限定されたため、その後に予定していた質的研究(インタビュー調査)に至ることができなかった。 ある程度まとまった結果や分析を前提にすることによって、質的研究の性格や方向も決まってくることも次第に判ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず家族関係の色イメージについて、上記の研究に加え、兄弟姉妹の色イメージに関する研究を実施したい。それにより、はじめて家族関係の色イメージの全体像が把握できるだろう。両親に対して、兄弟姉妹への色イメージの選択に何らかの特徴的傾向性が指摘できるのかどうか、具体的に検証する。そして、それらの結果から、現代の家族関係の色の視点からの意味を析出したい。 さらに、質問項目の後半部の、スピリチュアリティに関する分析についても、論文をまとめて、公表したい。どの項目についての分析にするかはこれから共同研究者と協議して決定する。 質的研究に関しては、やはりそれらの基礎的結果の分析を出し終えた段階で改めて方法論そのものから再考したいと考えている。
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Causes of Carryover |
年度後半は質的調査を開始する予定であったが、いまだ量的調査(回答のグラフ化や分析)の一部のみが発表された進捗状況であったので、それは時期尚早であると判断したため。質的調査を開始するためには、もっと十分な回答分析結果の集積を前提として開始した方が妥当であると判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、当初予定していた質的調査がどの程度実施できるか否か不明であるため、当面は当該額をできる限り広範囲にわたっての回答分析費用に使用する予定である。特殊な色の効果的なグラフ化作業には予想以上の費用が必要であることも判ってきた。したがって、当該額は、グラフ化費用(特に、スピリチュアリティと色に関する質問項目の部分)に充当する予定である。もし可能であるならば、今回の質問紙調査の全項目への単純集計結果の冊子化も視野に入れる。
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Research Products
(7 results)