2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Tokugawa Confucianism and the Modern Evidential Scholarship
Project/Area Number |
25370093
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹村 英二 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 教授 (80319889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 貴之 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20251499)
江藤 裕之 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70420700)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 江戸後期 / 漢学 / フィロロギー / 原典批判 / 西欧 / 中国 / 清代 / 考証学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研研究では、(1) 18~19世紀日本の儒学世界において発展した実証主義的学問の特質を解明すること、(2) 同時代の日本と中国の間の学術交流の様相も十分に考慮にいれながら、江戸後期儒学と清代考証学とを比較検討し、日中間の学問特性の相違点を考察すること、(3) さらに西欧のフィロロギーとの比較研究を行なうことが目指され、これらを踏まえた上で、(4)18世紀の学問⇔19世紀学問⇔近代知性を有機的に接続させ、伝統知がどう近代知へと連続したのか解明することが目指されたが、最終年度である本年度ではとくに、過去3年間で蓄積された上記 (1)、(2)、(3) の成果を踏まえながら、(4) について、とりわけ18~19世紀前半の日本漢学世界において注目すべき発展がみられた考証学的学問がどう近代歴史学の醸成に寄与したかについての研究が行なわれた。 具体的には、S. Pollock、B.A.Elman らによる古典テクスト研究の比較文明史的研究なども勘案しながら、歴史研究方法を含む人文学の研究「手法」の変容についての日本での事例との比較考察を行い、かような人文学の方法的進展が、欧州などにおけるそれとどのような相違点があるか、また、どのような特徴をもつに至ったかについて、米国、英国、イタリアの歴史学研究者、古典文献研究者との研究連携をとりながら考察した。これらを通じ、18~19世紀前半の日本における文献研究、原典批判の勃興・発展が、いかに「近代歴史学」の根底的学問素養の醸成に寄与したかの特定がなされた。 最終年度の成果としてとくに強調したいのは、本年度の研究を通じて得られた知見、また、これまで4年間に獲得された知見の世界にむけての発信を目指した英語、中国語での論文、共著書が産出された点である(業績欄参照)。
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Research Products
(14 results)