2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
児美川 佳代子 (小松 佳代子) 東京藝術大学, 美術学部, 准教授 (50292800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 聡 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30173157)
金森 修 東京大学, その他の研究科, 教授 (90192541)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 美術教育 / 感性論 / 美術の学び / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
平成25年度は、大きく三つのことを行った。 1)当初平成26年に予定していたフロリダアトランティック大学のリチャード・シュスターマン教授との意見交換は、シュスターマン教授が東京藝術大学の国際交流基金で来日したため、一年前倒しで行うことができた。10時間に及ぶワークショップ、合計3回のレクチャーを通して、身体と感性との密接な関係について充実した議論を行うことができた。 2)本研究の柱の一つに美術の学びの特質を捉えることがある。そのために、実際に美術制作に携わっている東京藝術大学の大学院生(美術教育専攻)と、理論的に人間の生成・変容について研究している京都大学の大学院生(臨床教育人間学専攻)との院生交流を行い、実際にデッサンや美術作品制作を行った上で議論し、互いの思考の違いと共通性について研究を深めた。 3)美術教育の哲学的基礎づけに関わる研究会を実施し、研究分担者との意見交換を行った。まず8月に金森氏と小松で研究の方向性を議論した上で、平成26年2月21日に東京藝大・京都大学の大学院生や卒業生も参加する研究会で、5つの口頭発表をもとに議論した。各発表タイトルは「佐藤忠良と美術教育」「国際バカロレアの美術教育におけるカリキュラムと評価」「美術教育の技術教育的側面に関する考察」「造形表現における制作者の思考について」「美術教育の論点」である。当初研究分担者である金森・樋口の両氏の出席を予定していたが、不測の事態により樋口氏が来られなかったため当日は金森氏との意見交換になった。 上記の研究会や意見交換の他に、初年度であるため、研究に関わる文献収集も精力的に行った。特に、勤務校図書館に収蔵されていないアメリカの美術教育に関する哲学者の著作や、イギリスの美術教育の歴史と哲学に関する文献などを購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の、当初予定していた3人での意見交換の機会を設けることができなかった点は、次年度以降の課題となるが、当初平成26年度に予定していた海外研究者の招聘を一年前倒しでできたため、その点においては計画以上に進展している。以上のことから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度行った研究会が非常に有益であったため、今年度は少なくとも2回は開催して、研究分担者との意見交換を行いたい。また、今年度は国際功利主義学会が日本で開催され、小松は功利主義と美術教育との関係について発表する予定である。その際、J.S.ミルの人間形成論について研究されているノース・カロライナ大学のD.ハビビ教授が来日される予定で、北海道大学でのワークショップを計画している。哲学者であるハビビ教授、及び北海道大学の教育史研究者である白水浩信准教授との意見交換によって、本研究の射程がより幅の広いものになることが予想される。さらに、『美術教育研究』の過去のすべての号をレビューする論文を執筆する予定であり、これも本研究に大きく寄与することが予想される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年2月21日に開催した研究会に、研究分担者である樋口聡氏も参加予定であり、広島-東京間の交通費等を計上していたが、不測の事態により参加が不可能になってしまったため、次年度に使用することにした。 平成26年度は、上記研究会を2度開催する予定であり、樋口氏も参加予定である。この研究会への参加及び研究打ち合わせため、広島-東京間の交通費として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)