2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小川 勝 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60214029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 美術 / 先史岩面画 / 年代測定 |
Research Abstract |
9月には英国のブリストル大学に滞在し、近年、先史岩面画の新しい年代測定法である「ウラン系列年代測定法」を確立している、アリステア・パイク博士と共同研究を行った。スペイン北部のエル・カスティージョなどで測定された約4万年前という極めて古い年代の妥当性を検討した。さらに、パイク博士がイギリスで年代測定をした、クレズウェル・クラッグスの洞窟壁画を詳細に調べることができた。また、アイルランド、ダブリンの国立博物館と、イギリス、ロンドンの大英博物館で関連する資料を精査することができた。 12月には、京都で開催されたシンポジウムに招待され「美術の起源:ショーヴェ洞窟をめぐって」と題する研究発表を行い、参加者と有益な意見交換をすることができた。 1月には、スイスを拠点とするオンライン・ジャーナルであるMDPIのArtsに「Dating Petroglyphs from Fugoppe Cave, Japan」という年代測定を論じた論文が掲載された。 3月にはフランスのリヨンの考古学局に滞在し、ショーヴェ洞窟担当保護官のマリー・バルディーザ博士と打合せを行い、今後の共同調査を構想した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
美術作品の年代測定に関しては、海外の研究者と共同研究することにより、確固たる方法意識を構築することができた。現地調査に関しても、重要な作品を実地に見聞することができた。美術の再定義というような理論的問題に関しては、来年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、美術の再定義という問題を、洞窟壁画より古いとされている作品を精査することによって、解決する必要がある。また、現地調査もより効率的に実施するべく、海外の共同研究者と連絡を取り合って、遂行することになるだろう。研究計画の変更の必要はない。
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