2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370105
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小川 勝 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60214029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 先史美術 / ホーレ・フェルス洞窟 / ホーレンシュタイン・シュターデル洞窟 / 後期旧石器時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、9月にドイツに赴き、南部ウルム市を中心とする地域を現地調査した。南西方向にあるホーレ・フェルス洞窟では、2008年に発見された、高さ6cmの彫像が、約35,000年前の作品と考えられており、それを実地に調べることができた。人為の痕跡が認められ、その制作年代が妥当かどうか、が今後の課題となるだろう。東北方向の、ホーレンシュタイン・シュターデル洞窟では、1939年に断片の集合が発見されていて、それらが1997年に再構成されたところ、高さ30cmの彫像が現れ、頭部がライオンで、首から下が人間像であるという解釈が有力である。それ故「ライオンマン」と称されているが、制作年代は約32,000年前ということで、これもきわめて古い年代である。なぜ、ドイツ南部のドナウ川流域の一地域にだけ、これだけ古い時代の作品が発見されているのか、今後その理由等を考えてゆく必要があるだろう。 他にも、昨年度以来の現地調査のデータを整え、また次年度の調査の準備的研究に従事した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査を順調にこなしており、おおむね計画通りである。ただし、理論的な深化はまだ不十分な状況であり、今後さらに議論を展開することで進捗させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、最古の洞窟壁画であるフランスのショーヴェ洞窟を探査し、また、今から約70,000年前の制作とされる、南アフリカのブロンボス出土の「線条のあるオーカー塊」を実地に調査し、また、出土遺跡を踏査することにより、研究をさらに深化させてゆきたい。
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Research Products
(3 results)