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2015 Fiscal Year Annual Research Report

美術の起源論的アプローチに関する基礎的調査研究

Research Project

Project/Area Number 25370105
Research InstitutionNaruto University of Education

Principal Investigator

小川 勝  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60214029)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsウラン系列年代測定法 / 洞窟壁画 / 放射性炭素年代測定法 / シュヴァーベン・アルプ地方 / ショーヴェ洞窟 / クレズウェル・クラッグス渓谷 / エル・カスティージョの洞窟壁画 / ブロンボス遺跡
Outline of Annual Research Achievements

近年、造形芸術活動の起源を極めて古く位置づける研究が多く提出されているが、その議論の妥当性は必ずしも明らかではない、と、私は考えている。私は、質的にも、量的にも、ヨーロッパ西部の後期旧石器時代・洞窟壁画が最古の芸術であると見なしているが、それを検証するために、現地調査を行い、実作品を精査して、議論を強化することができた。
具体的には、古い年代を最近になって測定しはじめている「ウラン系列年代測定法」が最初に適用されたイギリスのクレズウェル・クラッグス遺跡で、年代測定の状況を、報告者と共同で検証した。ドイツでは南部のウルム市周辺、シュヴァーベン・アルプ地方で出土している、オリジナルの立体作品を実地に調査して、その制作年代を確認した。フランスでは、南部アルデッシュ渓谷で1994年に発見された、約35,000年前に制作されたと考えられているショーヴェの洞窟壁画を、改めて徹底的に調査することができた。スペインでは、上述「ウラン系列年代測定法」により、実際に40,000年以上前のデータが提出された、北部のエル・カスティージョの洞窟壁画を再度検証して、年代の妥当性を探った。
ヨーロッパ以外では、約70,000年前の年代層から出土した、南アフリカ・ブロンボス遺跡の「線条のあるオーカー片」のオリジナル作品を実際に検討して、その芸術的な特質を再検討し、定義の問題でもあるが、美術の範疇には属さないと、結論づけた。
結論として、洞窟壁画とドイツ南部の立体作品以外の、より古いと見なされている、南アフリカ・ブロンボス遺跡の出土品など、すべては、芸術的な実質を備えておらず、やはり芸術の起源は、ヨーロッパの後期旧石器時代、約40,000年~35,000年の間に、位置づけられると判断した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015

All Journal Article (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] クレズウェル・クラッグスの洞窟壁画:ウラン系列年代測定法の問題2015

    • Author(s)
      小川勝
    • Journal Title

      鳴門教育大学研究紀要

      Volume: 第30巻 Pages: 452-460

  • [Journal Article] イメージの力:先史岩面画からのアプローチ2015

    • Author(s)
      小川勝
    • Journal Title

      民族藝術

      Volume: 31 Pages: 28-34

  • [Book] WWW:Rock Art: When, Why, To Whom2015

    • Author(s)
      Emannuel Anati, Masaru Ogawa and other 44 authors
    • Total Pages
      212
    • Publisher
      Atelier

URL: 

Published: 2017-01-06  

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