2015 Fiscal Year Annual Research Report
クラシック音楽の演奏様式と電気テクノロジーの連関についての総合的研究
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25370113
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Research Institution | Toho Gakuen School of Music |
Principal Investigator |
沼野 雄司 桐朋学園大学, 音楽学部, 教授 (00322470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ音楽 / テクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が主目的として掲げていたのは、(1)レコードに代表される録音メディアの登場による演奏様式の変化について考察すること、(2)マイクロフォンに代表される録音機器の発達と演奏様式の関連について考察することであった。既に2013年度から2014年度にかけて、基本的な文献収集、ワシントンDCのアメリカ議会図書館をはじめとする様々な場所での一時資料調査は終了しており、その後は主にサンプル音源(ショパン・ワルツ)の統計的分析に取り組むことになった。この過程での成果の一部、とりわけテクノロジーに関するいくつかの側面に関してはカルロス・チャベスをめぐる論文(「インディヘニスモとモダニズムの狭間で—革命後のメキシコとC.チャベス」桐朋学園大学研究紀要第40集、2014)などにおいて公表を図っているが、ショパン作品の演奏様式の分析については決定的成果がまだ得られていない。一方で、当該テーマを探究する間に、「20世紀前半のアメリカ音楽界」という根底的な課題に突き当たることになり、2014年12月13日には日本音楽学会東日本支部例会においてシンポジウムを行なうとともに、この成果を2015年度には「アメリカ音楽と第一次世界大戦-クラシック音楽界における転換期として-」(桐朋学園大学研究紀要第41集)という形の論文にまとめ、本研究テーマを側面から支えることを試みた。いずれにしても、散発的な成果を発表することが出来ているとはいえ、3年間の研究全体の網羅的な成果公表(うまくいかなかった点も含めて)はまだ果たしていないので、今後はこれが急務となる。本研究の科研費支給は本年度で終了するが、引き続き研究は継続する。
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Research Products
(1 results)