2013 Fiscal Year Research-status Report
和物彫漆の基礎的研究―堆朱楊成・玉楮象谷・偕楽園塗を中心に
Project/Area Number |
25370147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mitsui Bunko |
Principal Investigator |
小林 祐子 公益財団法人三井文庫, その他部局等, その他 (60399334)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 工芸 / 漆工芸 / 彫漆 / 堆朱 / 偕楽園 / 玉楮象谷 / 徳川治宝 / 御庭塗 |
Research Abstract |
初年度に当たる本年度は、まず必要機材を揃え研究環境を整えた。また平成25年度以前の調査で収集した、偕楽園塗を中心とする対象作品のデータベース作成を開始した。データベースは作品ごとに、作者、形態、意匠、技法、制作年代、銘、箱書、関連文献などの項目を設定したカード方式で作成し、作品間の比較検討の便を考え、図版をデジタル画像化して添付した。これと同時に、既存の展覧会図録などから対象作品をリストアップし、写真図版および文献資料の収集をおこない、データベースに追加した。 さらに作品の所在確認のため、全国の美術館・博物館より選定した約200機関に所在調査のアンケートをおこなった。なおアンケートは、現在回収および集計中で、来年度からの作品・資料調査に活用する予定である。 また、すでに所在が把握できていた対象作品のうち、今年度は偕楽園塗について、申請者自身が所蔵先へ赴き、作品の目視による観察、マイクロスコープを用いての観察、写真撮影、調書の作成などの調査をおこない、データベースに加えた。同時に和物彫漆と技法、意匠の比較検討をおこなうため、唐物の彫漆についても調査をおこなった。なお当該年度は、個人所蔵家(東京都、千葉県、京都府、大阪府)などにおいて調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、公的機関が所蔵する作品調査も実施する予定であったが、各機関の展示計画や他館への貸出などの理由により、来年度以降に持ち越しとなってしまった。しかし、個人所蔵家の所蔵品の調査は計画通りに実施でき、作品データベースが拡充された。 また所在確認のアンケート調査も予定通りに実施し、現在アンケートの回収と整理をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
全国の美術館・博物館約200機関を対象におこなった所在調査のアンケート結果を利用し、順次作品・資料調査を実施する。調査によって得られた作品情報や画像をデータベースに追加し、データの拡充をはかる。 また作品調査と並行して、文献資料の調査・収集にあたる。
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