2014 Fiscal Year Research-status Report
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25370154
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Research Institution | Sen-oku Hakuko Kan |
Principal Investigator |
実方 葉子 公益財団法人泉屋博古館, その他部局等, 研究員 (40565587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 守 公益財団法人泉屋博古館, その他部局等, その他 (30565586)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高麗仏画 / 蛍光X線顔料分析 / 大型スキャナー / 国際研究者交流(韓国) / 高麗時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は継続して作品調査を行うとともに、これまでに得られた画像などのデータの分析を進めた。そして本研究の出発点となる《楊柳観音像A》(徐九方筆 泉屋博古館蔵)の修理完成にともない、これに関する分析成果を内外の学会・研究会にて発表した。
具体的にはまず作品調査は各所蔵機関への調査協力の交渉を進めると同時に、展覧会などにて展示中の下記作品について行った。堺市博物館「和泉国 法道寺―鉢峯山のほとけたち―」展にて《阿弥陀三尊像》、根津美術館「朝鮮・高麗時代の仏画」展にて《阿弥陀如来坐像》はじめ高麗・朝鮮時代の仏画、装飾経など10点、大徳寺曝凉にて《楊柳観音像》3点、Leeum「交感 Beyond and Between」にて《阿弥陀三尊像》など2点。
またこれまでに得られた画像や諸データの整理分析を進めた。特に、画絹について高麗のほか、中国などの作例のデータ収集に着手、比較検討を試みた。そして《楊柳観音像A》に関する調査成果を韓国文化財科学会や中国美術研究会などにて口頭発表し、その場での議論から新たな課題も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の出発点であり中心である徐九方筆《楊柳観音像》の修理が完成し、修理前後の調査で得られた情報を整理分析したものを、韓国、日本の学会などで3度にわたり発表、おおむね好評を得るとともに、さらなる課題も得られた。 また韓国調査では韓国での高麗仏画の作例や展示状況に関する知見が得られ有益であった。 一方、本年度の活動の中心であった他機関所蔵品調査に関して交渉が難航し、当該年度内の実施が難しかった。来年度早々の実施にむけて交渉に多くの時間を割いた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず他機関所蔵品調査を集中して行う。すでに内定している大徳寺3点、根津美術館8点のほか国公立博物館、社寺関係も交渉を進め時間の許す限り類例調査を行う。 並行してこれまでの調査成果の分析をさらに深め、類品のそれを情報を統合するため、研究会を開催する。 成果公表のための報告書、および展覧会(泉屋博古館にて2016年11月開催予定)の準備に着手する。
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Causes of Carryover |
他機関調査が次年度にずれこんだため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
他機関調査に関して、前年度予定分を7月までに実施し旅費、謝金などにあてる。
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