2014 Fiscal Year Research-status Report
メディア表象に見る 「アメリカン・ファッション」の生成過程研究
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25370167
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平芳 裕子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ファッション / アメリカ / パターン / 型紙 / ハーパース・バザー |
Outline of Annual Research Achievements |
ファッションにおけるアメリカ的なるものとはいかに成立させられたのか。本研究は「アメリカン・ファッション」成立のイメージと言説の歴史を明らかにするものである。平成26年度は、19世紀後半から20世紀前半における雑誌資料・服飾作品の実見調査ならびに資料の読解と考察を行った。雑誌資料については「ウィメンズ・ウェア」「ハーパース・バザー」「デモレスト・マンスリー」などの主要雑誌の実見調査と収集を行った。また服飾作品については、ファッション工科大学付属美術館、メトロポリタン美術館、京都服飾文化研究財団等において、20世紀前半のアメリカのファッション・デザインに見られるパリ・オートクチュールの影響について実見調査を行った。以上の調査から得られた研究情報を整理し、アメリカン・ファッションの成立において雑誌メディアが果たした役割とその特徴について考察を行った。その結果、アメリカにおける流行モデルの普及に重要な役割を果たしたのが、これらの雑誌に掲載あるいは添付された「パターン(型紙)」であると認められた。それゆえ、アメリカの雑誌メディアとファッション産業との関わりにおいてパターンがいかに発展したのか、またパターンを用いた家庭裁縫においてパリ・ファッションはいかに受容されたのか、以上の二つの観点を軸に考察を行い、論文の執筆を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主軸をなす調査の一つに雑誌資料の調査が挙げられる。主要雑誌「ハーパース・バザー」の調査を行う過程で、同時代の他の雑誌との比較考察を行う必要が生じ、新たな雑誌資料の収蔵・実見調査を行ったために追加の時間を要することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
雑誌の実見調査について資料収集のおおよその目処は立ったと言える。しかしながら調査で明らかとなったのは雑誌の付録の重要性であった。ところが日本の研究機関に所蔵される付録の多くは欠損しているため、(アメリカにおける)新たな所蔵先の開拓、アーカイヴ調査を今後は積極的に推進していく必要がある。
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Causes of Carryover |
必要とする文献資料の(洋書)の発売が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献資料(洋書)代金とする。
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