2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本・中国・インドにおける美術・工芸教育の共有化と社会還元システムの構築
Project/Area Number |
25370173
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
浅野 均 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (50315925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 美術教育 / 美術工芸 / 日本画 / 岩彩画 / 中国絵画 / インド絵画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はこれまで二年間継続してきた研究調査の成果として、日本・中国・インド、三ヶ国の教育機関に所属する研究者と芸術家と合同で、「アジアにおける美術教育の共有化に向けて」と題した出版物を日本語・中国語・英語の3ヶ国語で500部刊行した。本冊子では各国の美術教育の資料として三ヶ国の芸術家達がこれまでに研究期間従事してきた作品が数多く紹介されるとともに、その背景を詳細に検証する論考が研究者達により執筆・掲載された。出版物は全103頁、7名の共著となっている。 さらに出版と並行して、北京において10/10-16にかけて同じく「アジアにおける美術教育の共有化に向けて」と題したテーマで資料展示と討論会を開催した。中国からは北京・上海・広州・河北省・西安の各地域において美術教育に従事してきた専門家が参加し、特に日本画とつながりの深い岩彩画を中心に各自の視点から美術教育の現況と今後の展望に関して意見交換が行われた。またインドからは国内で唯一インド絵画科を有する芸術大学から参加した教員により、その歴史的背景と現況の詳細が紹介され、本研究活動を三ヶ国共同で継続することで、今後のインドの美術教育に還元したい旨が述べられた。会場では参加者によって三ヶ国の美術教育に関わる資料展示が行われ、また同時に現地で上記の出版物を配布することで、大学関係者のみならず一般の観客にも広く公開され、メディアを通じても注目を集めた。以上のことから本年度の活動は本研究が目指した社会還元の役割を十分に果たし終えることができた。
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