2014 Fiscal Year Research-status Report
占領期から1950年代までの「日米合作映画」に関する研究
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25370181
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
志村 三代子 二松學舍大學, 文学部, その他 (20409733)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 映画史 / 日米関係 / 冷戦 / 日系人 / 国防総省 |
Outline of Annual Research Achievements |
本発表の目的は、占領期から1950年代に製作された「日米合作映画」の分析を通して、当時の日本とアメリカがいかなる相互関係にあったのか、とりわけアメリカ統治下の沖縄と日系人の問題を視野に入れることによって、アメリカが想定した東アジアにおける前哨基地としての日本の具体像を多面的に究明することである。 2014年度は、1951年に公開され、米国国防総省がハリウッドの映画製作に深く関わった『二世部隊』を取り上げ、米国公文書館所蔵の関係資料の参照しながら、製作過程を分析した。その成果は、日本映像学会での口頭発表の後、『Intelligence』15号(20世紀メディア研究所、査読あり)に掲載された。 アメリカのSociety Cinema Media Studiesにて口頭発表(The Trilateral Relationship of the United State, Japan, and Okinawa in Hell to Eternity (1960))を行い、海外研究者たちとの交流を深めた。当学会で発表したHell to Eternity(日本語題名『戦場よ永遠に』)は、戦後の沖縄ではじめてハリウッドのプロダクションがロケーションを行った「日米合作」映画の一つであり、引き続き調査を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年の目標であった、査読付き論文が一本採用され、国内学会と外国語での口頭発表を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、『戦場よ永遠に』についての調査をさらに進めていく。1959年2月から3月にかけて沖縄で撮影された本作は、当時の関係者が健在であるため、彼らにインタビューを行うとともに、5月31日に、宜野座村文化のまちづくり事業実行委員会の協力のもと、関係者を交えた特別企画上映会を開催する。インタビュー、上映会終了後は、速やかに論文を執筆し、査読付き学会誌に投稿予定である。引き続き、英語での学会発表に応募し、外国人研究者との交流を図りたい。
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Causes of Carryover |
英語字幕がない映画作品に対して、映画字幕をつけ、DVD化する作業を予定していたが、適切な業者が見つからなかったため、2014年度は断念した。2015年度は作品、業者(あるいは英語ネイティブの研究者)選定ともに速やかに行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英語字幕(計6本)の作成、DVD化に80万円を計上する。
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