2016 Fiscal Year Annual Research Report
Aspects of transmission and reception of Noh,through the licenses given by the Umewaka family to its amateur disciples
Project/Area Number |
25370185
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
三浦 裕子 武蔵野大学, 文学部, 教授 (30646287)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 能 / 能楽 / 芸能 / 伝授 / 免状 / 近代 |
Outline of Annual Research Achievements |
シテ方観世流能役者で梅若家52代当主の初代梅若実が記した60年に及ぶ克明な日記『梅若実日記』が近年、翻刻・公開され、近代能楽の研究は飛躍的な発展を遂げた。本研究はその成果を踏まえ、さらに厳密に近代能楽を解明するものである。 具体的には初代梅若実資料研究会(研究代表者=三浦裕子、連携研究者=土谷桃子、研究協力者=加賀谷真子・氣多恵子・小林責・中司由起子・深澤希望・別府真理子)が梅若六郎家蔵『伝授免状扣』『伝授免状扣・第二』を解読し、梅若家における伝授の実態を明らかにした。また、年5回程度の研究会を催し、ゲスト・スピーカーによる諸芸能の伝授に関する講義を通じて能との比較を試みた。 その成果として、ヨ-ロッパ日本研究協会(EAJS)第14回国際会議(スロベニア・リュブリャナ、2014年)のパネル「能に見る伝授の諸相―近世と近代の歴史的視点から」で、加賀谷の司会のもと、深澤「能の伝授における起請文の意義」、氣多「『伝授免状扣』に見る梅若家の伝授の形態―資料紹介を兼ねて」、三浦「梅若家と横浜の素人弟子―稽古と能舞台建設」を口頭発表した。東洋音楽学会第66回大会(東京、2015年)では三浦「シテ方観世流能楽師・五三世梅若六郎と横浜―素人弟子とのかかわり合いを中心に―」を口頭発表した。また、報告書『近代における能楽の伝授と受容の諸相―免状に見る梅若家と素人弟子』(2017年3月)に初代梅若実資料研究会が『伝授免状扣』『伝授免状扣・第二』の翻刻と、人名・曲名その他の索引を掲載した。三浦が解題と、観世宗家の弟子家である梅若家が免状を発行するに至った経緯を論文「初代梅若実と免状―伝授権と免状発行権をめぐって」に著し、前原恵美が研究会で講義した「常磐津節における伝授と家元制度」を論文として寄稿した。
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Research Products
(4 results)