2014 Fiscal Year Research-status Report
文化遺産としての「アジア」のシェイクスピア ー沖縄の「夏の夜の夢」を中心にー
Project/Area Number |
25370190
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
鈴木 雅恵 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (70268291)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 比較演劇 / シェイクスピア上演 / 沖縄演劇 / アジア / 乙姫劇団 / 夏の夜の夢 / マクベス / オセロ |
Outline of Annual Research Achievements |
本テーマの取材と論文作成、英文翻訳をほぼ同時進行で行い、国際学会で中間発表や、他のアジアの国々の研究者との議論・情報交換をおこなった。主な成果発表のは、5月に国立台湾大学で行われたアジア・シェイクスピア学会での「夏の夜の夢」上演におけるCross Dressingに関するセミナー発表、沖縄の与那覇晶子氏及び大嶺かよ氏と組んでの、日本演劇学会(於・摂南大学)及び国際演劇学会(於・英国ワーウィック大学)での、沖縄演劇の西欧受容及びその基層についての研究発表である。
英国のワイルズ教授及びコーヘン教授からは、沖縄の乙姫劇団の「時代歌劇・夏の夜の夢」の男役の演技術及び、アメリカ人観客の視点を加える必要があるという批評を得たため、沖縄芸大付属研究所に5回出向き、大嶺氏の許可を得て、1950年代の興業日誌を調べた他、劇団「うない」の代表者や、真喜志きさ子氏にインタビューをおこない、また、与那覇晶子氏の主催したシンポジウム「沖縄の文化表象にみるジュリ(遊女)の諸相Part II≪沖縄芸能にみる芸妓の表象/表象されたジュリ≫」にコメンテーターとして参加し、沖縄の実演家に取材した。乙姫劇団の「時代歌劇・夏の夜の夢」の1954年の初演に関してはまだ全容がはっきりしないため、引き続き調べる予定である。
羽衣国際大学での東西融合演劇のプロジェクトでは「日本のマクベス受容」についての発表を行い、また、「新作能マクベス」の英語字幕の改訂版の完成に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英文論文はまだ三分の一程度しかできていないが、骨格となる部分の取材や全体としての構成は書き終えているので、あと一年集中する時間を取り、細部の肉づけをすれば、プロジェクトテーマとしての区切りをつけるめどが立ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
4月中に論文の構成を見直し、香港、沖縄の研究者や実演家に取材して細部を固め、まずは7月初旬にインドのハイデラバードで行われる国際演劇学会で中間発表を行う。引き続き、沖縄、英国を中心とする取材をおこない、年内の英文論文を完成させ、また、乙姫劇団の1990年版の「時代歌劇・夏の夜の夢」の記録DVDに英語字幕を入れ、また、「新作能オセロ」の改定上演にも貢献する。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 新作能 マクベス2015
Author(s)
泉紀子編 (泉紀子、辰巳満次郎、鈴木雅恵、恵阪悟、藤原千沙、荒木泰恵 他)
Total Pages
165 (27, 64-73, 138-161 )
Publisher
和泉書院