2016 Fiscal Year Annual Research Report
"Asian" Shakespeare as Cultural Heritage -with special focus on "A Midsummer Night's Dream" in Okinawa
Project/Area Number |
25370190
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
鈴木 雅恵 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (70268291)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 夏の夜の夢 / 琉球歌劇 / 乙姫劇団 / アジアのシェイクスピア / 間好子 / 野田秀樹 / 翻案劇 / 妖精 |
Outline of Annual Research Achievements |
本テーマの中核は、1948年に誕生し、2002年に解散した、沖縄の女性だけの琉球歌劇団、乙姫劇団の『時代幻想歌劇・真夏の夜の夢』の研究にあった。その為、乙姫劇団の1960年の台本『時代歌劇・真夏の夜の夢』(間好子作)の英訳の完成、1990年の「乙姫劇団40周年公演」のために同作品に追加された場面の検証(琉球語から日本語共通語への翻訳及びDVD記録の聞き取りには大嶺佳代氏の協力を得た)と同DVDの英語字幕作成に多くの時間を費やした上で、同作品の初演とされている1954年の「乙姫劇団興業日誌」を分析し、また、1960年版の台本に言及されている、「西森」(首里城の北側に位置する聖域)の現地調査もおこなった。同時に、乙姫劇団の後身である「劇団うない」のハワイ公演への同行を含む、元劇団員の密着取材もおこなった。その結果、『時代幻想歌劇・真夏の夜の夢』は、シェイクスピア劇の単なる「地域化」、「アジア化」された翻案劇の例ではなく、同劇団のシャーマン的な一面も反映させた作品であり、さらに、同作品の「背景」とされている、幻想の「うちばー」王国には、重層的な「故郷」への想いがあることが確認された。 また、琉球歌劇版との比較の為に、宝塚歌劇版の『夏の夜の夢』の変遷、ピーター・ブルックの同作の公演後の日本の演出家(主として野田秀樹と蜷川幸雄)の『夏の夜の夢のおけるパックの表象、さらに、海外には"Okinawan Midsummer Night’s Dream"として紹介されている、中江裕二監督の映画『さんかく山のマジルー』の分析もおこなった。野田秀樹と中江裕二監督には「夏の夜の夢」の妖精を消えゆく故郷の表象と捉えている、という共通点があった。 成果は主として、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校にて中間報告をしたほか、FIRT(国際演劇学会)等、海外の学会で5回、国内の学会で2回、報告をした。
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Research Products
(2 results)
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[Book] A History of Japanese Theatre2016
Author(s)
Ed.Jonah Saltz, Masae Suzuki, Monica Bethe, Cody Poulton, Lawrence Kominz, Thomas Rimer, Samuel Leiter, Paul Griffith, William Lee, Barbara Thornbury, Daniel Gallimore and 47 others
Total Pages
550 (150-154)
Publisher
Cambridge University Press