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2014 Fiscal Year Research-status Report

昭和四〇年代日本のポピュラー音楽の社会・文化史的考察

Research Project

Project/Area Number 25370199
Research InstitutionInternational Research Center for Japanese Studies

Principal Investigator

磯前 順一  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60232378)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 章一  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40135603)
細川 周平  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70183936)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsグループサウンズ / エレキ音楽 / ロックミュージック / 学生運動 / 高度経済成長
Outline of Annual Research Achievements

グループサウンズの代表的存在であるザ・タイガースの1965年から1971年までの活動について、活動年譜、掲載雑誌リスト、ディスコグラフィー一覧の完全版の作成を終えた。特に年譜については、当時の社会的な出来事(学生運動・国際政治・国内の社会的出来事)、国外のロック音楽の動向(ビートルズなどのリバプールサウンドからレッドツッェペリンなどのニューロックまで)、国内の歌謡曲・ポピュラー音楽の動向(岡林信康やジャックスのフォークロック、テンプターズやオックスなど後進のグループサウンズ、外道やフラワートラベリングバンドなどのニューロックまで)を加え、社会・文化的な研究として広がりを持つものに精度を高めることが出来た。
さらにこうしたグループサウンズを中心とする、洋楽の影響を受けた日本の音楽が若者だけでなく、それより高い、あるいは低い年齢層の中にどのように受け入れられていったのか、あるいは拒否されたのかを集中的に調査した。その結果、神社を中心とする村祭りや夏祭りなどで大規模なものは、1970年代冒頭ころからはエレキギターを取り込んだ音楽を演奏するようになった。また、ハワイアンセンターなどの娯楽施設では、子どもも含めて、ベンチャーズなどのエレキ音楽をライブで演奏したり、バックミュージックとしてかけるなど、確実に社会にエレキサウンドが広がっていったことが把握された。エレキ音楽はこうした社会の広がりの中で市民権を得ると同時に、社会を批判する力を失い、1970年代冒頭にはぐループサウンズのブームも終焉するに至ったことが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

年譜・掲載雑誌リスト・ディスコグラフィーの完成が当初の予定より早く終わった。また、タイガースのメンバーへの聞き取りも思った以上に進み、当時の雑誌の閲覧やLPやCDの入手が容易であった事も加わり、タイガースをはじめとする具ルーフサウンズ活動期の状況の把握が予想以上に進んだ。それによって、情報や資料収集の研究段階がかなり進み、次の段階の、集めた情報と資料を解釈する研究の段階へと早く移行することに成功した。

Strategy for Future Research Activity

グループサウンズをはじめとする洋楽が日本の社会にどのように定着していったのか。年齢層や社会集団の性格をより決め細やかに把握するに努める。それと同度に、そうして定着していった洋楽が、どのような形で日本社会特有の文脈へと読み替えられていったのか、その変容のあり方を研究する。
なかでも戦後の日本支配層の中心イデオロギーであった国家神道の中に、こうした若者の意義申し立ての表現手段であった洋楽がどのように浸透していったのか。あるいは拒否されたのか。それとも変容して意味を読み替えられていったのか。国家権力や社会的権威と、日本の洋楽の緊張関係のあり方に着目して研究していきたい。そこに文化の抵抗と同化という、英国のカルチュラルスタディーズで推進されてきた手法を取り込んだ、日本の文化研究の政治・社会史的手法の固有の展開を試みたい。

Causes of Carryover

購入予定のグループサウンズの図書が購入せずとも、他の図書館で閲覧することで済んだため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

グループサウンズの音楽が日本社会にどのように受容されたかを確かめるための調査旅費に組み込みたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Book (1 results)

  • [Book] 死者のざわめき 被災地信仰論2015

    • Author(s)
      磯前順一
    • Total Pages
      259
    • Publisher
      河出書房新社

URL: 

Published: 2016-05-27  

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