2015 Fiscal Year Annual Research Report
昭和四〇年代日本のポピュラー音楽の社会・文化史的考察
Project/Area Number |
25370199
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
磯前 順一 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60232378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 章一 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40135603)
細川 周平 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70183936)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大衆芸術 / メディア芸術 / エレキ音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の平成27年度は、前年度までに作成した研究作業にもとづいて、ザ・タイガースを軸にすえた報告書、論集『ザ・タイガース研究論―昭和四〇年代日本のポピュラー音楽の社会・文化史的考察』(近代映画社、2015年)の記述を磯前が中心になって、井上章一・細川周平・小野善太郎・中村俊夫とともに共同執筆を行ない、その報告書を完成させた。磯前と井上がザ・タイガースの活動と当時の時代背景を記述し、中村が他のグループサウンズの動向、及びエレキブームからニューロックへの音楽史の展開を記述する。そして、小野がザ・タイガースのレコーディング記録の記述を行なった。 平成25年度はタイガースのメンバーの出会いから解散に至る歴史を明確にし、敗戦から天皇制ナショナリズムの普及にいたる昭和40年代の社会状況との対応関係を把握した。その成果が、磯前『ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた』(集英社新書、2013年)である。また、タイガース側が作成したパンフレット『THE TIGERS LIVE 2013』にもその成果の一部である年譜と演奏曲目を資料編として提供した。 平成26年度は特にロック音楽史の側面に注目し、欧米と日本の動向の対応関係を明らかにした。その成果を一般向けに報告したのが、大学共同利用機関法人 人間文化研究機構の公開講演会として、ザ・タイガースの瞳みのる氏をゲストとして招き、「社会史版「ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた」―<戦後民主主義と高度経済成長>再考」(有楽町マリオン、東京都、2014年6月7日)であり、一般聴衆から高い評価を得た。そして当事者のザ・タイガース側からも、本研究に対して協力および評価を得ることが出来た。
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Research Products
(5 results)